【ソウル7日聯合ニュース】来年の国内証券市場で新規株式公開(IPO)規模が過去最大値を記録する見通しだ。
 証券業界が7日に明らかにしたところによると、来年上場を推進するサムスン生命の公募額が4兆ウォン(約3100億円)を上回ると予想され、大韓生命など兆単位の大型上場も予想される。
 市場で名前が挙がっている主要候補企業がすべてIPOに踏み切れば、全体の公募規模が10兆ウォンに達するとの分析だ。インフレーションなどを考慮していない名目金額であるため、単純比較には無理があるが、ことしの3兆ウォン台から3倍に急増することになる。これまでの最大値は1999年の3兆8000億ウォン台だった。
 これに加え毎年数兆ウォンずつ行われる有償増資、政府と債権団の大規模な株式売却日程などを含めると国内証券市場に相当な負担になりかねない。
 関心の的はサムスン生命だ。市場では公募価格が1株90万~100万ウォンの範囲で形成されるとみているが、サムスングループの金融持ち株会社転換の可能性などを反映すると120万ウォン前後に達するとの見方も出ている。すでに場外取引では95万ウォンに達し、「夢の100万ウォン突破」を目前にしている。
 問題は株式の流通量だ。まず、サムスングループの李健熙(イ・ゴンヒ)前会長がサムスン自動車債権団に贈与した350万株が市場に出ると予想される。新株募集を排除し、比較的保守的な水準の100万ウォンを適用しても3兆5000億ウォン規模だ。大韓生命は新株募集と旧株売り出しを併行する方式で公募額が2兆ウォンに達すると見込まれ、未来アセット生命は5000億ウォン前後と推定される。証券市場が消化しなければならない量は、これら3社だけで6兆~7兆ウォンとなる。
 不確実性はあるものの、公募額が最大1兆ウォンに達すると分析されているポスコ建設の上場の可能性もささやかれている。これに店頭株市場のコスダックの中小型株まで加えると、10兆ウォンを超える可能性があると専門家らは分析している。
 ウリィ投資証券のチョ・グァンジェIPO2チーム長は、「コスダック市場の規模は大きくて1兆~2兆ウォン。サムスン生命と大韓生命が予定通り上場する場合は全体のIPO規模が8兆~10兆ウォン水準に達する可能性がある」と予想した。
 来年、実質的に市場に流通される株式の量はさらに多い。有償増資が毎年数兆ウォン規模で行われいる上、ウリィ金融、仁川空港公社、ハイニックスなど、大型の株式売却も予定されている。
 問題は果たして国内証券市場が莫大(ばくだい)な株式量を処理できるかだ。需要側ではドルキャリートレードを基盤に、外国人の買い傾向が続き、機関側では国民年金の資産運用に占める株式の割合拡大、国際財務報告基準(IFRS)導入を前にした退職年金の増加などを期待できる。しかし、株式流通量の急増が予想されているだけに、力不足との指摘も多く出ている。こうした状況では公募価格が下がる不利益を甘受しなければならず、大量の失権株が発生しかねない。何より需給負担で証券市場全般が不振に陥る可能性もある。

Copyright 2009(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0