【ソウル27日聯合ニュース】金正日(キム・ジョンイル)体制が公式発足した1998年から現在まで、金総書記の公式活動に随行した「権力」中核人物の変化は、「世代交代」と「経済通の前陣配置」に要約される。
 統一研究院の統一学術情報センターが先ごろ発刊した「1994~2008金正日の現地指導動向」を基に、金総書記の随行回数上位10位を比較・分析してみると、こうした流れが明確に読み取れる。
 金総書記体制発足初年の1998年に「随行トップ10」に入った人物のうち、趙明録(チョ・ミョンロク)軍総政治局長、金国泰(キム・グクテ)党中央委員会秘書、金河奎(キム・ハギュ)元軍砲兵司令官、金容淳(キム・ヨンスン)元党対韓担当秘書は、昨年と今年のリストから消えている。
 その代わりに、金正覚(キム・ジョンガク)軍総政治局第1副局長、金明国(キム・ミョングク)総参謀部作戦局長、朴南基(パク・ナムギ)党中央委部長、李在一(リ・ジェイル)党宣伝扇動部第1部部長らが随行トップ10で座を固めた。ここまでは意図的な世代交代というより、金正日体制が10年をすぎ、自然に権力の中核構図が変わったものとみられる。
 「経済通」の躍進も目立つ。金正日体制の発足当時は、随行人物に経済通と呼べる人物は一人もいなかった。しかし、2004年と2005年に朴奉珠(パク・ポンジュ)内閣総理(当時)がそれぞれ10位、4位と2年連続で10位圏に入り、2007年からは朴南基・党中央委部長が3年連続で入った。
 大規模な工場や企業所が集まっている咸鏡北道の洪錫亨(ホン・ソクヒョン)道党委員会責任秘書と、軍需工場の密集地域であり、「自立自足」のモデルとして紹介される平安北道の朴道春(パク・トチュン)道党委員会責任秘書が、それぞれ2007年と2008年に随行トップ10に入ったのも、経済通の浮上事例と見なすべきだ。
 昨年と今年に目立つ変化は、やはり後継構図と関係がある。金総書記の健康問題が浮上した昨年8月から今年初めにかけ、三男のジョンウン氏を後継者に内定する過程で見られた、北朝鮮権力層のめまぐるしい浮沈が反映された結果といえる。
 金総書記がすべてを信じて任せられる義弟の張成沢(チャン・ソンテク)党中央委行政部長の随行回数がここ2年間で急増したのが、代表的なケースだ。張部長は、ジョンウン氏を後継者に推薦し後継構図の礎石をつくる過程で、主導的な役割を果たしていると伝えられた。
 党の宣伝扇動責任者の李在一部長が昨年と今年に随行回数が多かったのも、後継構図構築と関連した流れと解釈される。
 統一学術情報センターの趙漢凡(チョ・ハンボム)所長は、「最近、金総書記の公式活動に毎回随行している人物が、今後の後継構図構築過程にも積極的に乗り出す可能性が高い」と指摘。北朝鮮の未来権力構図を事前に描く意味で、随行人物の徹底した分析が必要だと述べた。

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