発表を行う和田春樹名誉教授=26日、ソウル(聯合ニュース)
発表を行う和田春樹名誉教授=26日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル27日聯合ニュース】東北アジア平和論者で朝鮮半島問題専門家として活躍する和田春樹・東京大学名誉教授が、26日にソウルの東北アジア歴史財団で開かれた「東アジアの平和と辺境協力」をテーマにした学会で発表を行った。
 和田教授は、「東北アジア共同体と辺境・跨境(こきょう)民族の役割」と題した発表で、日本では在日同胞2世の姜尚中(カン・サンジュン)東京大学教授に注目する「姜尚中ブーム」が起きていると紹介。これは、「跨境民族」が北東アジア共同体の構築に寄与できることを雄弁に物語っていると主張した。跨境民族とは、在日同胞など母国の国境を越え他国で暮らす人々を指す。

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 和田教授は「姜教授はスーパースターになった。多くの日本人が姜教授を通じ韓国系日本人の存在を再認識している」と述べた。保守主義が根強い日本社会で、時に急進的な主張をする韓国系有識者の社会的地位が高まり影響力が増すということは、非常に珍しいことだと説明した。

 姜教授の影響力が高まっている理由については、「マックス・ウェーバーを専攻した左派系学者でありながら、日本の有識者が敢えて取り組もうとしない主題について果敢に信念を語る勇気」が功を奏したと評価した。

 特に、姜教授が2003年に「日朝関係の克服―なぜ国交正常化交渉が必要なのか」と題する敏感なテーマの書籍を出版し、保守主義一色の日本の学界で新たな主張を展開したことも、日本人が姜教授に注目するようになった理由のひとつだと説明した。姜教授は北朝鮮問題など敏感なテーマの書籍のほか、最近では自身の成長を記した書籍など、ソフトなテーマの本も書いている。

 和田教授はまた、姜教授は昨年12月には女優らとともにソングフェスティバルに招かれたほか、NHKのバラエティ番組にもレギュラー出演していると、その人気ぶりを伝えた。

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