ことし1~10月の日本小説出版総数は268種で、昨年の318種より少ない。教保文庫関係者は、「昨年は日本小説の量は増えたものの質的な拡大はなかったとの評価が多かったが、ことしは出版件数が少ない中で大衆性と作品性を備えた作家が読者の人気を集めた」と分析した。
こうした日本小説の善戦は、村上春樹の5年ぶり新作長編小説「1Q84」がブームに近い人気を博したことが大きかった。小説家を志す30歳の天吾と暗殺者・青豆の愛、倫理問題などを扱った同作品は、8月25日の第1巻発売以降、ベストセラー上位をキープし、約2か月で製作部数56万部を突破した。
また、東野圭吾の「容疑者Xの献身」「白夜行」が映画公開を受け再び人気を集めたほか、江國香織と奥田英朗の小説も好評を博し、「文学の日流」の再燃をもたらした。
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