【ソウル10日聯合ニュース】黄海上で10日、北方限界線(NLL)を侵犯した北朝鮮警備艇が韓国高速艇の警告射撃に対し照準(直接)射撃を加える事件が発生し、その意図に関心が集まっている。
 合同参謀本部によると、北朝鮮の警備艇1隻は同日午前11時27分、黄海・大青島の東11.3キロメートル地点でNLLを侵犯した後、32分には2.2キロメートルの地点まで南下した。5回にわたる韓国高速艇の警告通信も無視したため、韓国側は警備艇前方約1キロメートルの海上に向け警告射撃を発射。これに対し、北朝鮮側はすぐさま高速艇に狙いを定めて射撃するなど、明らかな挑発行為を犯したと合同参謀本部は説明している。
 軍当局は、北朝鮮の警備艇が韓国管轄水域で高速艇に照準射撃を行った意図を多角的に分析しているが、これを「挑発行為」とする見方が優勢だ。相手側の管轄水域に入った以上、無線通信で進入の目的と即時の撤退を明示すべきにもかかわらず、何の応答もしないまま艦艇を狙い発砲したのは休戦協定違反だと指摘している。
 今回の交戦は、2002年6月29日の第2次延坪海戦以降、約7年ぶり。一部専門家らは、早ければ来月初めとも予想されるボズワース米特別代表(北朝鮮政策担当)の訪朝を念頭に置いたものとの分析を示している。
 韓国国防研究院(KIDA)のペク・スンジュ博士は、米朝直接対話により米朝が融和局面に入れば内部のムードが緩みかねないとの懸念から、北朝鮮の軍が計画的に緊張を高めようとした可能性を提示した。
 軍当局はまた、警備艇が韓国側の度重なる警告通信を無視し、南下を続けた背景についても分析を進めている。当初、近くのNLL海上では中国漁船と北朝鮮漁船数十隻が入り混じっていたことから、当局は北朝鮮の警備艇がNLLを越えた漁船の後をついて来た可能性に重点を置いている。漁船がいないときにNLLを越えれば「挑発」とみなされるため、漁船の取り締まりを口実にNLLを越えたのでは、との分析だ。
 軍関係者は、今回の銃撃戦は北朝鮮警備艇のNLL侵犯とこれによる直接射撃のために発生したもので、韓国側は国連の交戦規則を順守したと話している。
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