李局長の日程は政府間の公式交渉が目的ではなく、非政府組織(NGO)や学者との会合に出席するものだったため、これといった成果を期待するのは難しい面もあった。伝わっているところでも、米朝間の水面下の探り合いという程度にとどまった。
李局長はニューヨークとサンディエゴでキム特使と非公式に接触を持ち、長時間を一緒に過ごした。この時、米朝対話やボズワース米特別代表(北朝鮮政策担当)の訪朝問題などに関する意向を明らかにしたとみられる。米国務省側も、両者の接触を通じ何らかの進展があったことを暗示する発言をしており、李局長の訪米を機に、こう着状態だった米朝関係に突破口が開かれるのではないかという期待も高まっている。30日のセミナー出席者は、北朝鮮代表団の基本的な対話態度とトーン、雰囲気が、前年のセミナーの時と比べると相当肯定的に変わったと評価した。
しかし、米朝対話の結果次第で多国間対話に復帰することを固守する北朝鮮と、北朝鮮が復帰すべき交渉テーブルは6カ国協議になるべきだとする米国とでは、依然として立場に大きな開きが見える。ワシントンのある外交筋は、米国が北朝鮮の態度に肯定的な変化を感知したとしても、「ただちに米朝対話の実現を引き出す実行力を保証はできないだろう」と分析した。特に北朝鮮は、6カ国協議再開や核査察などに対して大きく譲歩する考えはないことを明瞭にしている。
李局長は11月2日に米国をたつ予定だ。
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