トヨタ「プリウス」=(聯合ニュース)
トヨタ「プリウス」=(聯合ニュース)
【ソウル30日聯合ニュース】トヨタ自動車が韓国内で10月から「トヨタブランド」を展開する。世界のトップメーカー・トヨタの韓国上陸は、それだけで韓国の市場構図を揺るがす潜在力と破壊力を持つ。国内輸入自動車業界だけでなく、現代・起亜自動車をはじめ完成車メーカーも、トヨタ車の価格とマーケティング戦略に熱い関心を向けている。
 業界には多くのうわさや推測が出回っているが、確実視されるのは、トヨタの韓国市場アプローチは他国と同様、「中長期布石」で進められるだろうという点だ。

 トヨタ関係者は、トヨタブランドの韓国進出はエコロジー技術と価値を消費者に広めることが中核戦略になると話す。トヨタは10月に「カムリ」「カムリハイブリッド」「プリウス」「RAV4」の4車種を発売するが、このうちガソリンハイブリッド車の「カムリハイブリッド」と「プリウス」については、国内投入は少数になるとされる。全国5か所の展示場のうち、まずはソウルと首都圏の4か所で販売し、釜山地域での市販は先延ばしになるという。

 このため、ハイブリッド車は大量販売よりも、トヨタのエコイメージ向上という役割を務めさせる考えだとの見方が出ている。この2モデルは価格も、「カムリハイブリッド」が4500万ウォン台(約337万円)、「プリウス」が4000万ウォン台初めと、比較的高い水準を維持すると予想される。また、「プリウス」は当初月200台としていた販売目標を30台に引き下げたと伝えられた。さらに、「カムリ」も価格を3000万ウォン後半から4200万ウォン前後への引き上げが検討されているという。韓国トヨタは韓国での販売目標を月1000台と設定していが、下方修正は避けられない見通しだ。

 業界関係者は「トヨタをベンチマーキングし世界市場で占有率を急上昇させている現代・起亜自の拠点である韓国市場への進出は、トヨタとしても慎重にならざるを得ない」と話す。シェア拡大のため性急な販売戦略と価格政策を取り反感を引き起こすことがないよう、10年後を見据えた長期戦略を駆使するはずと説明した。

 トヨタが韓国市場で欲を捨てイメージ向上中心の戦略を取ったとしても、トヨタの市場進出は、国内輸入自動車業界の構図を覆すに十分だ。

 トヨタが毎月800台ずつ売れば年間ベースで1万台を超え、高級ブランド「レクサス」と合わせれば1万6000台を上回る見通しとなる。昨年、国内で販売された輸入自動車数は6万1648台。トヨタの進出が約1万台の需要を新たに創出すると仮定しても、トヨタのシェアは22%を超え、輸入車業界のトップを狙うことができる。昨年の1位はホンダコリアで、1万2356台を販売、シェアは20.4%だった。

 国内販売の要になると見込まれる「カムリ」は、トヨタを北米市場でゼネラル・モーターズ(GM)、フォード、クライスラーを抑え世界の頂点に押し上げた車種だ。国内ではホンダ「アコード」、日産自動車「アルティマ」、現代「グレンジャー」「YFソナタ」、ルノーサムスン「SM6」などのシェアに相当部分食い込んでいくものと思われる。コンパクトSUVの「RAV4」は、ホンダ「CR-4」、現代自「サンタフェ・ザ・スタイル」、起亜自「ソレントR」を脅かす存在になりそうだ。また、トヨタの韓国マーケティング看板が「エコロジー」なだけに、2つのハイブリッド車種は現代・起亜自の「アバンテ」「フォルテ」のハイブリッドLPiと競合することになるだろう。

 トヨタはひとまず、「プリウス」と「カムリハイブリッド」では販売台数を離れ、トヨタのガソリンハイブリッドの優秀性をアピールすることに集中すると見られるが、これが国内市場における中長期的な現代・起亜自との激しいエコカー競争の幕開けにつながると予想される。

 一方、トヨタブランドの進出が迫るなか、国内自動車業界では人材移動の動きも見え始めている。トヨタはディーラー5か所でそれぞれ営業・整備担当社員40~50人、全体で200~300人以上の新規採用を進めているが、ホンダコリアをはじめとする輸入自動車業界はもちろん、一部完成車メーカーからも、少なくない人材がトヨタに流れている。

 トヨタは10月20日ごろ4車種の発表会を開催し、トヨタブランド車の販売を開始する予定だ。

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