25日に行われた羅老号打ち上げのようす=(聯合ニュース)
25日に行われた羅老号打ち上げのようす=(聯合ニュース)
【ソウル28日聯合ニュース】韓国初の人工衛星搭載ロケット「羅老(ナロ)号」(KSLV-I)の軌道進入失敗原因を究明するため、韓国政府の独自調査委員会が28日に初会議を行い、本格的な活動に入った。
 委員会は教育科学技術部高官や韓国航空宇宙研究院幹部をはじめ、産業界、学界、研究所の専門家で構成された。2007年に外部の宇宙専門家で構成された宇宙事故調査委員会には所属せず、羅老号の軌道進入失敗原因の究明に向け一時的に運営される。
 教育科学技術部の李相睦(イ・サンモク)科学技術政策室長は会議前に聯合ニュースの電話取材に応じ、韓国政府レベルの調査委員会は、共同開発したロシアとの調査委員会の調査結果をより客観的に検証するために発足したと説明した。衛星を覆う保護カバー、フェアリングの片側が分離しなかった点に焦点を当てて活動すると伝えている。
 ただ、フェアリング未分離の原因については先に韓国・ロシア共同調査委員会の十分な分析が必要となることから、早期の結果導出は難しいものとみられる。両国の契約に基づく業務分担基準で見ると、フェアリングは韓国側が担う部分で、韓国の独自技術で開発した羅老号2段目(上段)ロケットの一部をなしている。1段目の液体燃料推進機関は全面的にロシア側が担当した。これに対し、政府は以前、フェアリング部分も共同開発プロセスでロシアが総括的に技術支援を行っているとの立場を示した。
 これまでの共同調査委員会発表によると、1段目、2段目ロケットは点火から始まり音速突破、1段目エンジン停止命令、1段目分離、2段目点火、2段目の燃焼進行などでは特に問題がないものと把握された。
 しかし、衛星分離時点までくっついていた片側のフェアリングにより、2段目ロケットは軌道で目標より高いところまで上昇し、速度ははるかに落ちるという状況になった。これと関連しては、フェアリング以外に1段目、2段目ロケットの推進力などに問題があった可能性も排除し難いとの指摘が挙がっている。
 政府は約9か月後の来年5月、2度目の羅老号テスト発射を予定しているが、今回の調査委員会の活動をめぐり韓国とロシアに葛藤(かっとう)が生じる場合、打ち上げに支障が生じかねないと懸念する声もある。韓国とロシアの協定では、2回にわたる羅老号のテスト発射に一度でも失敗すれば、ロシア側が1段目ロケットを追加で提供することになっている。

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