イ・チャム氏=(聯合ニュース)
イ・チャム氏=(聯合ニュース)
【ソウル29日聯合ニュース】ドイツ出身で韓国国籍を取得したイ・チャム氏が、韓国観光公社の社長に内定した。
 イ氏は28日に聯合ニュースの電話取材に対し、韓国に帰化した動機について「韓国のために大きなことをしたかった」と語った。帰化人として、公的な立場で韓国を手助けしたいと以前から考えていたという。
 イ氏はこれまで、国内でテレビ番組に出演したり各種団体に参画してきた。こうした活動は、観光公社社長のような職務に向けた十分な準備プロセスだったとしながら、「謙遜(けんそん)の心を持ち全力を傾ける」と意欲を示した。
 また、帰化人として初めて高位の公務員に起用されたことは、韓国の驚くべき歴史を確認するものだと指摘した。「米国も白人以外の非主流が高位職に就くまでに200年を要したが、61年の歴史の大韓民国が異邦人を国の顔となる観光産業の責任者に立てることはすばらしい発想」と評価した。
 韓国観光産業の現状と進むべき道に対しても明確な見解を示した。イ氏は、韓国観光産業は先進国より弱く、この産業が国内総生産(GDP)に占める割合は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最下位だと指摘する。一方で、無限の潜在力があり、これを発揮するために汎国民的な合意が必要だと訴えた。
 続けて、国民の合意を取り付けるにはコミュニケーションのための努力が必要となるが、自分はこれまで多くの人と対話してきたためミッションを提示できると述べた。国民の観光に対する意識を変えるべきだとし、自身が適任者だと訴えた。
 観光振興に向けた課題としては、国際社会での韓国アピール、イベント大会誘致、医療観光やMICE(国際会議や企業旅行の総称)など高付加価値分野の開発、地の利を生かした海洋レジャー産業開発、冬のレジャー成長促進などを挙げた。

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