【ソウル22日聯合ニュース】麻薬清浄国・韓国の麻薬捜査技法がフィリピンに輸出される。大検察庁(最高検察庁に相当)麻薬・組織犯罪部は21日、東南アジア諸国を対象とした東南アジア諸国連合(ASEAN)プロジェクトの一環として、フィリピンで麻薬撲滅支援活動を行うと明らかにした。
 検察はこれに向け、小便・毛髪を利用した麻薬鑑識や麻薬類成分分析装備など、20万ドル(約1925万円)相当の捜査装備を無料提供する。来月にはフィリピンの麻薬関連捜査担当者らを招き、ソウル中央地検に配置する。約2か月間、麻薬流通過程を追跡し原産地を割り出す先端技法などの教育を行う予定だ。
 検察はこれに先立ち、2月から麻薬捜査専門家をフィリピン薬物取締庁(PDEA)に派遣し、捜査装備使用法の指導や捜査情報交換を行っている。特に、フィリピンに逃亡中の国内麻薬事犯に関する情報収集や強制送還のための共助作業を進めている。このほか、PDEAと共同での麻薬撲滅キャンペーン開催や、麻薬治療リハビリセンター内の図書室設立と書籍・パソコン寄贈などを行った。
 最近、国際麻薬組織が韓国を麻薬流通の経由地として利用するケースが多いなか、検察は、東南アジア諸国との協力がこれら組織と連係した犯罪グループを追跡・一掃する上で役立つものと期待している。大検察庁の崔允寿(チェ・ユンス)麻薬課長は、「東南アジア諸国との人的・物的ネットワークを形成、捜査情報を交換し、共助に向けた基盤を構築することで、韓国に持ち込まれる麻薬類の相当部分が遮断できるはず」と話した。
 大検察庁麻薬・組織犯罪部は、ASEANプロジェクト事業のため2007年から3年間、外交通商部から毎年33万ドルの支援を受けている。2007年はラオス、2008年はカンボジア、ベトナムを支援しており、2010年はインドネシア、2011年はミャンマーで活動する予定だ。

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