韓国側の展望台から見る開城工業団地=京畿道・坡州(聯合ニュース)
韓国側の展望台から見る開城工業団地=京畿道・坡州(聯合ニュース)
【ソウル9日聯合ニュース】南北関係の悪化から、開城工業団地に入居する衣料メーカーが全面撤収を決めた。これまで工業団地への入居契約を取り消す企業が続出し、入居中の企業の中にも生産設備の一部移転を検討するところはあったが、工業団地が本格稼動した2005年以降、撤収企業が出るのはこれが初めてのケース。入居企業数はこの会社を含め現在106社。
 この衣料メーカーの代表は8日、聯合ニュースの電話取材に対し、「撤収を決定した。きょう、開城工団管理委員会に関連書類の受け付けを済ませた」と明らかにした。南北関係の悪化でバイヤーからの注文キャンセルが相次いだこと、駐在員の身辺安全に対する懸念も増していることなどを考慮し、撤収を決定したもようだ。ある消息筋によると、同社はアパート型工場に入居しており、現地での設備投資規模は億ウォン台だという。
 北朝鮮は先月15日に韓国に通知文を送り、開城工業団地に関する既存の契約の無効化を宣言する一方、新たに提示した賃金水準や土地使用料、税金などの内容を受け入れない場合は団地から撤収しても構わないという趣旨を伝えた。この問題に関し南北当局は今月11日に実務会談を開く予定だが、その結果が思わしくない場合、小規模投資の企業を中心に撤収企業が増えかねないとの見方も出始めている。
 統一部によると、入居企業数は昨年4月の69社から今年4月には104社と51%増加したにもかかわらず、今年1~4月の入居企業の総輸出額は715万ドル(約7億434万円)で前年同期に比べ56.1%、総生産額も7454万ドルで6.6%減っている。
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