【瀋陽3日聯合ニュース】長距離ロケット発射や核実験、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射準備など一連の対外強硬路線を主導する北朝鮮・朝鮮人民軍が、今年に入り重要経済部門に対する掌握権を強めているもようだ。
 対北朝鮮消息筋が3日に伝えたところによると、北朝鮮の輸出品目のうち最も比重の大きい無煙炭の輸出権が、今年に入り、内閣所属の貿易会社から軍部所属の貿易会社へと移管された。無煙炭は年間輸出量200万~300万トン、約2億ドル(約191億円)の外貨を稼ぎ出す代表的な輸出品目で、これまでは軍と朝鮮労働党、内閣で割り当てを決めて管理してきたとされる。
 ある消息筋は「中国の貿易商が最近、北朝鮮軍部所属の貿易会社と6万トン分の無煙炭契約を結び、取引代金100万ドル相当のトウモロコシを北朝鮮に送った」と明らかにした。それ以前の取引先は内閣所属の貿易会社だった。この消息筋は、そうでなくても外貨難に苦しむ北朝鮮が取引代金を現金ではなくトウモロコシで要求したのは極めて異例だとしながら、軍用に使用するための措置との見方を示した。
 別の消息筋は、北朝鮮最大の火力発電所、平安南道・北倉火力発電所の統制・管理権も今年に入り軍部に移されたと伝えた。施設容量200万キロワットのこの発電所は、1968年に当時のソ連の援助で建設され、内閣所属の電力工業省が直轄管理してきた。しかし今年初めに、同省幹部が国の機関に供給してきた電力を裏金を受け取って外資企業に回したという理由で粛清され、軍部が管理・統制権を掌握することになったのだという。
 消息筋の間では、軍部の経済部門の掌握力強化は、軍部の位置付けの高まりを映し出すものとみている。極端な対外強硬路線を推し進めるにあたり軍費確保が急務となっている上、金正日(キム・ジョンイル)総書記が三男・金正雲(キム・ジョンウン)後継体制への安着に向け結局信じられるのは軍部しかないと判断し、軍部に重点を置いているものと分析している。
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