【ソウル29日聯合ニュース】アジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁が、韓国の「低炭素グリーン成長」戦略には全世界が関心を持っていると評した。ソウル市内のホテルで開かれた東アジア気候フォーラムの第1回会議で特別演説したもので、化石燃料依存と地球温暖化に対する懸念を示しながら、このように述べた。また、アジア諸国に気候変動への積極的な対応を呼びかけた。
 黒田総裁は、韓国の低炭素グリーン成長戦略について「この新しい開発パラダイムは経済成長と温室効果ガス排出量増加の相関関係を破り、清浄技術の開発と普及を通じ新たな成長動力を創造する手段」だと評価した。ADBは韓国政府のこうした政策を高く評価しており、アジアを含む全世界が注目していると述べた。
 また、アジア各国は国際舞台での役割が拡大しているだけに、より積極的に気候変動など世界的課題に責任感をもち対応しなければならないと強調した。そうした努力がなければ、アジアの温室効果ガス排出量は全世界の40%を上回るだろうと警告した。
 黒田総裁は、エネルギー生産と消費の面で効率性を高め、コストを削減し、経済的競争力を高められるようにする必要があるとした。新たな交通システムと公共交通体系の定立も急がれると指摘した。このほか、気候変動対応策の模索も重要課題だとし、ADBは世界銀行、日本の国際協力機構(JICA)とともに、フィリピンのマニラ、ベトナムのホーチミン、タイのバンコク、インドネシアのジャカルタなどアジアの主要海岸都市に気候変動が及ぼす影響を研究していると紹介した。
 ADBの研究によると、2100年までに東南アジア国家は気候変動の影響で国内総生産(GDP)の6.7%に達する損失を出すと予想されるという。
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