【ソウル29日聯合ニュース】ヒト体細胞クローンを用いた胚性幹細胞(ES細胞)研究が、中断から3年目にして事実上、許可された。大統領直属機関の国家生命倫理審議委員会は29日に全体会議を開き、2月に保留とされたチャ病院の体細胞クローンES細胞研究計画を2つの条件と2つの勧告事項付で承認することを決めた。
 提示された条件は、疾病治療が可能だと過度な期待を誘発する可能性があるため研究名称から疾病名を削除すること、治験審査委員会(IRB)を拡充し生命倫理界と保健福祉家族部の推薦を受け生命倫理専門家を補強すること。勧告事項は、動物実験を並行しヒトの卵子使用を最小限に抑えること、保健福祉家族部、疾病管理本部、胚性研究専門委員会が設ける事後管理案を施行すること。倫理界と宗教界の審議委員から強い要請があったためとされる。
 チャ病院がこれらの条件をすべて満たし、保健福祉家族部が研究計画を最終承認すれば、体細胞クローンによるES細胞研究の禁止措置が3年ぶりに解除される。チャ病院の研究は、過去に黄禹錫(ファン・ウソク)元ソウル大教授が行っていた研究方式と同じもので、国内では2度目の挑戦となる。
 チャ病院は昨年から2回にわたり、国家生命倫理審議委員会に研究計画を提出し審議を受けたが、倫理的な問題をすべて解決した上での再提出を求められていた。計画書を補完し、3度目にして事実上の「合格」判定を受けたことになる。
 こうした決定は、米国がオバマ政権の決断で幹細胞研究を加速化しており、韓国だけが立ち遅れるのではという懸念を考慮したとの見方が大半だ。また、黄元教授チームの場合は論文ねつ造など研究責任者の倫理問題が障害となったが、チャ病院は研究者個人に問題がなく、特に研究を認めない理由がなかったと伝えられた。
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