緊張に包まれる盧前大統領の自宅=29日、慶尚南道・金海(聯合ニュース)
緊張に包まれる盧前大統領の自宅=29日、慶尚南道・金海(聯合ニュース)
【ソウル29日聯合ニュース】盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領が30日に検察へ出頭し聴取を受ける。盧前大統領をめぐる疑惑の核心は、朴淵次(パク・ヨンチャ)泰光実業会長が渡したという600万ドル(約5億8100万円)だ。このうち100万ドルは2007年6月末に鄭相文(チョン・サンムン)元青瓦台(大統領府)総務秘書官を通じ盧前大統領夫人の権良淑(クォン・ヤンスク)氏に渡り、残り500万ドルは昨年2月末に盧前大統領の姪(めい)の夫、ヨン・チョルホ氏の香港口座に入金された。
 600万ドルをめぐる「ミステリー」は、この資金を盧前大統領が認識した時点とその目的にある。盧前大統領は、600万ドルが朴会長から出たという事実を知ったのは大統領退任後だと一貫して主張する。一方の検察は、盧前大統領が直接電話し金を頼んできたという朴会長の供述を根拠に、通話記録や青瓦台の出入記録などの状況証拠を綿密に調べている。
 600万ドルの取引を盧前大統領がいつ知ったかという点は、資金の目的とも直結する。これについて盧前大統領は、100万ドルは権夫人が借金の返済のために頼んだもの、500万ドルは「好意的な投資」だが自分とは関係のない純粋な投資金だと弁明している。金融取引履歴が残る500万ドルの用途はある程度明らかになったが、100万ドルについては盧前大統領は依然として口を閉ざしたままだ。しかし検察は、盧前大統領がこの資金を直接受け取ってはいないが、朴会長が盧政権時代に享受した事業上の利得に対する包括的な見返りとみている。
 こうした争点をめぐり盧前大統領と検察は30日、文字通り「死生決断(生死をかえりみない決断)」を行うことになる。
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