【ソウル21日聯合ニュース】インターネットのポータルサイト掲示板に「ミネルバ」のハンドルネームで経済関係の書き込みを多数行い経済政策について虚偽事実を流布したとして起訴された男性に裁判所が無罪判決を下したことで、代表的なインターネット規制策の一つ「サイバー冒涜(ぼうとく)罪」をめぐる論争に改めて火がつきそうだ。
 女優チェ・ジンシルさんの自殺をめぐる事件で立法が進められ「チェ・ジンシル法」と呼ばれたサイバー冒涜罪は、昨年10月、法務部の金慶漢(キム・ギョンハン)長官が導入の必要性を強調し、論争の末に議員立法の形で発議された。現在は国会で審議中で、メディア発展国民委員会が放送法改正案とともに論議を進めている。
 サイバー冒涜罪は、「インターネットなど情報通信網を通じ他人を冒涜する行為をした者は3年以下の懲役または3000万ウォン(約220万円)以下の罰金に処する」というもので、情報通信網法改正案に含まれる。これまでこの条項の導入をめぐり、「行き過ぎたインターネット規制策」「ポータルサイトの口封じ」などの反対世論も強かったが、「根拠のないうわさや話で特定の人物をひぼうし冒涜する行為はなくすべきだ」との擁護論も幅広く支持を得ていた。
 しかし、ミネルバに対する無罪判決の直後からは、「代表的インターネット規制策の一つであるサイバー冒涜罪も、やはり消えるべきだ」という主張が、インターネット上の討論コーナーや裁判所判決関連記事のコメント欄に相次ぎ書き込まれている。
 苦しい立場に立たされたのは、主務部処の放送通信委員会だ。同委員会はサイバー冒涜罪導入の必要性に賛成しており、崔時仲(チェ・シジュン)委員長も1月に国会で「サイバー冒涜罪が導入されても第2、第3のミネルバ事態は生じない」という趣旨の答弁をしている。
 一方、経済正義実践市民連合の高桂鉉(コ・ゲヒョン)政策室長は、ミネルバの件とサイバー冒涜罪は異なるものだが、公権力が介入し意思表現の自由を抑圧し憲法的基本権を侵害する素地があることから、同じ脈絡で見るべきだとし、サイバー冒涜罪の撤回を主張した。
Copyright 2009(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0