【東京15日聯合ニュース】駐日大使任命から1年を迎えた権哲賢(クォン・チョルヒョン)大使が15日、「信頼外交、予防外交、粘り強い外交という対日外交の原則は捨てることができない」と述べた。東京で韓国の特派員らとの懇談会を開き、1年を振り返るとともにこの先の構想を詳しく説明した。
 権大使はまず、就任後堅持してきた対日外交の原則を、信頼外交、予防外交、粘り強い外交と集約した。昨年7月には日本の中学校社会科教科書学習指導要領解説書での独島記述問題、今月には韓国侵略を正当化する内容を盛り込んだ中学校歴史教科書(自由社)の検定合格などがあり、こうした外交原則が多少損なわれたことは否定しがたい。しかし権大使は、相手が信頼にひびを入れたからといってこうした原則を捨てることはできないとし、「昨年7月からこれまでの間、いつにも増して韓日関係が安定し、緊密な協力関係を維持した。互いに注意深く見守る段階ではなかろうか」と評価した。
 また、韓日通貨スワップ協定の締結と延長、韓日首脳のシャトル外交の実現、麗水世界博覧会の成功に向けた日本の支援体制構築などを例に挙げながら、これらはすべて互いに不信があれば不可能なことだと述べ、今後も未来志向的な協力を拡大・深化すべきと強調した。その一方で、自由社発行の教科書の検定合格については、韓日の関係変化を考えれば妄言などを自制すべき時にもかかわらず問題が飛び出したとし、「大使として遺憾に考える」との批判の言葉も明らかにした。
 権大使は、韓日の葛藤(かっとう)予防策のひとつとして、9月20日から東京で「韓日おまつり」を開催すると紹介した。来年は日本による朝鮮半島強制合併100年にあたるため、韓日の緊張関係を事前に和らげることが趣旨だと説明している。
 両国間の懸案発生に関しては、両国の指導者、オピニオンリーダーらによる事前協議が重要との見方を示し、日本の政官界、学界、メディア界関係者を含む広範囲なネットワーク構築にも取り組んでいると述べた。実際、権大使がこれまで行った外部講演はすでに7回を数える。韓日関係の重要性はもちろん、日本に対する率直な批判も手加減することなく提起するため、一部の知人からは「外交官の限界直前の発言」とまで言われるのだという。
 今年は特に在日同胞関連の2つのプロジェクトに力を注いでいる。1つ目が在日本大韓民国民団(民団)幹部をはじめとする在日同胞の韓国語使用運動、2つ目は在日同胞と日本駐在員らを対象にした、日本進出韓国系銀行の通帳保有運動だ。今月、民団の中央本部で両運動に関する集まりが開かれる。
Copyright 2009(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0