【ソウル10日聯合ニュース】カナダが牛肉市場の開放を求め、世界貿易機関(WTO)に韓国を提訴した。駐韓カナダ大使館は10日、「カナダ政府はカナダ産牛肉の韓国市場アクセス問題について、9日にWTOに協議を要請した」と明らかにした。
 大使館側は、「カナダ産牛肉と牛の安全性を立証する数多くの科学的根拠があるにもかかわらず、韓国はカナダ産牛肉の輸入禁止措置をいつ解除するのか明らかにしていない」とし、カナダ政府は長年の懸案となっている同問題の解決に向け、WTOの紛争解決協議が必要との決定を下したと説明した。
 カナダ政府が要請した協議は、WTO紛争解決手続きの第1段階に当たる。協議要請から30日以内に両当事者が協議を開始し、60日間にわたり話し合いを進めることになる。協議段階で解決に至らなかった場合はパネル(小委員会)が設置され、審理が行われる。カナダ大使館は、「カナダはパネルを設置せずにこの問題を解決するため、当事者による協議段階を十分活用する予定」だと明らかにした。
 カナダで2003年5月に牛海綿状脳症(BSE)が発生して以来、韓国では同国産牛肉の輸入禁止措置が取られている。カナダは2007年5月に米国と共に国際獣疫事務局(OIE)からBSEリスクが管理されている国と認められて以来、韓国に対し牛肉市場を開放するよう求めてきた。両国は昨年11月に輸入再開問題を話し合う牛肉検疫技術協議を行ったが、同月にカナダでBSEが発生したため現地疫学調査が行われ、政府が調査結果を検討している。
 農林水産食品部関係者は、「WTOの手続きに基づき積極的に対応する方針だ。まずは協議手続きを通じ合意点を模索することに力を注ぐ」と話している。
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