【ソウル7日聯合ニュース】2月中旬以降、急激に悪化していた外貨流動性が急速に改善している。先月返済期限を迎えた対外債務は外国為替当局のドル支援なしで全額借換され、銀行界の新規外貨借入も今月に入り速度を増している。何よりも経常収支が黒字基調に戻ったことがドル需給の見通しを明るくしている。外貨流動性の円滑化でウォンは安定的な上昇へと進み、韓国債の信用度も上がりつつある。
 金融界が7日に明らかにしたところによると、金融監督当局は4~5月の市中銀行の外貨借入が20億ドルを超えるものと見通している。
 新韓銀行は今月完了を目標に返済期限1年以上・3億ドル相当の外貨借入を進めている。中小企業銀行も今月、政府と協議した上で5億~10億ドル規模の海外債券発行について結論を出す予定だ。農業協同組合は今月中に、韓国外換銀行は来月中にそれぞれ1億ドルの借入を推進している。ハナ銀行は先週、政府の支払保証で3年満期・10億ドルのグローバル債券の発行に成功、ウリィ銀行は6日に政府支払保証なしで私募形式で3億ドルを借入した。ハナ銀行はマレーシア・リンギット建て3億ドルの債券発行について今週中に結論を出す計画だ。
 これとは別に、国策銀行も市場状況を見ながらドル調達に取り組む予定だ。韓国輸出入銀行は上半期に30億ドルの外債、韓国産業銀行は5月ごろ円建て外債(サムライ債)発行にそれぞれ乗り出す方針。
 政府もまた、今月中に20億ドル前後の外国換平衡基金債券の発行を見据え、市場状況を最終的に打診している。北朝鮮がロケット発射を強行したにもかかわらず、金融市場は安定局面を維持するなど市場状況は良く、発行に大きな問題はないとの判断だ。企画財政部関係者は「外国換平衡基金債券発行の準備を整えて待つという立場」と述べた。ほかの韓国関連証券の進行状況とそれ以外の市場状況などを総合的に考慮し、発行時期と規模を決定することになると説明した。
 実際に外貨流動性状況を表す指標は、急速に好転する様相を示している。金融監督当局によると、政府部門を除く金融会社と企業の借換率は、昨年10月の世界的な信用収縮のあおりで54.5%まで落ち込んでいたのが、昨年12月に65.5%、今年は1月が87.1%、2月が91.6%、3月が106.3%と改善した。100%超は、満期を全額延長しても余る外貨があったことを意味する。
 サムスン経済研究所のチョン・ヨンシク首席研究員は「2月末から、急激に悪化していた外貨流動性が多少改善したのは事実。ただ短期外債の割合が高く、株式市場から外国人投資家が今後離脱することもあり得るだけに気を緩めるには早い」と指摘した。
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