会議のようす=23日、ソウル(聯合ニュース)
会議のようす=23日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル23日聯合ニュース】政府が経済危機で崩壊の兆しをみせている中産層を支援する総合対策を打ち出した。
 大統領直属機関の未来企画委員会は23日、青瓦台(大統領府)で李明博(イ・ミョンバク)大統領の主宰による関係官庁合同会議を開き「中産層育成ヒューマンニューディール政策」の推進方向を論議し、結果を発表した。

 会議では、中産層の脱落防止、中産層入りの促進、未来中産層の育成を3大中核政策方向と定め、短期的に低所得層支援を拡大する一方、中長期的には危機後に中産層が再跳躍できる基盤を設けることにした。

 まず中産層脱落を防ぐため、住居・教育・医療費など家計支出の負担を軽減する政策を進めると同時に、女性に適した雇用を創出することで家計の所得源を多様化するなど、雇用の維持・創出に力を注ぐ。特に、中産層の家計で最も負担となっている私教育費を画期的に減らすには教育改革が不可欠とみて、大学入試制度の先進化をヒューマンディール政策に含め、検討を進める。

中産層入り促進に向けては、アイディアに基盤を置き、手軽に起業できる「1人創業企業」を新たなモデルとして提示し、社会全般に広める。また、各種不正行為が摘発されている福祉システムを画期的に改善する方針だ。

 未来中産層の育成策としては、放課後教育や福祉サービス拡充を通じ、私教育の需要を減らすほか、乳幼児向けサービスの拡大、人的資本投資の強化などに乗り出す。

 政府は今後、同政策の効率的推進に向け、関係官庁長官が出席するヒューマンニューディール関係閣僚会議と政府・与党協議会を随時運営する。来月には財政戦略会議を開くなどし、持続的に政策を展開すると同時に国民の意見も幅広く聴取する予定だ。

 一方、この会議で李大統領は、中産層の多くが萎縮し崩壊しているのは韓国だけでなく、世界的な現象だが「中産層が貧困層に落ち込むことを防ぐこと、また貧困層に落ちた人をどう福祉で支援していくかが重要だ」と強く述べた。


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