【ソウル20日聯合ニュース】カナダが自国産牛肉の安全性を強調し、韓国に輸入再開を強く求めている。輸入再開に応じない場合は、世界貿易機関(WTO)に韓国を提訴することも検討するとの構えだ。
 韓国を20日に訪れたリッツ農相は、聯合ニュースの取材に対し「カナダ産牛肉は最高水準の科学的基準を採択しており、国際獣疫事務局(OIE)にも安全と判断されている」と強く述べた。韓国とカナダはいずれもWTO加盟国として貿易規範に従っており、科学的根拠と基準をもって貿易を再開すべきだと主張した。カナダ産牛肉輸入再開問題は6年間解決されないままだが、一区切りして次の段階に進むべきときが来たと述べ、WTO提訴も考慮することが可能だとの考えを示した。

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 またリッツ農相は、同日、農林水産食品部の張太平(チャン・テピョン)長官、外交通商部の金宗フン(キム・ジョンフン)通商交渉本部長と会談し、いつから輸入再開が可能か具体的な日程を示してほしいと求めたと紹介した。この席で、張長官はカナダ産牛肉の安全性に同意し、金本部長はWTOへの問題提起に懸念を示したという。張長官、金本部長との会談後、リッツ農相は、牛肉輸入再開を求める声明を発表している。

 リッツ農相は、カナダ産牛肉も米国産牛肉と同等の市場アプローチ性を得るべきだとの考えを示し、まずは月齢30か月以下を皮切りに、段階的に開放する方法を提案した。カナダ産牛肉の安全性に関しては、毎年厳格なテストを行っているだけに牛海綿状脳症(BSE)が見つかるのだとし「重要なことは、カナダは完璧(かんぺき)なトレーサビリティを備えており、そうした牛肉を食品や飼料に使用することを遮断できるという点」だと強調した。

 韓国政府はカナダで2003年5月にBSEが発生して以来、同国産牛肉の輸入禁止措置を取っている。両国政府は昨年11月に輸入再開問題を話し合う牛肉検疫技術協議を行ったが、同月にカナダでBSE発生が確認されたため現地力学調査を実施。現在はその結果を検討中だ。

 輸入禁止前の2002年には、カナダ産牛肉は約1万6400トン、3740億ドル相当が国内に輸入され、米国(64%)、豪州(26%)、ニュージーランド(6%)に次いで輸入牛肉市場シェア4位を占めていた。
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