【ソウル19日聯合ニュース】金融市場が「3月危機説」から抜け出しつつある。
 これまで下げ止まらなかった対ドルのウォン相場が安定を取り戻そうとしており、国内の株価も上昇曲線を描き始め総合株価指数は1200に迫っている。韓国の信用リスク指標も1か月前水準に戻り、3月危機説は沈静の様相をみせている。大幅な貿易黒字のほか、銀行は海外からの借入を急いでおり、外貨流動性も改善される見通しだ。

 しかし、国内の金融市場に「完全な春が来た」と見るにはまだ早いというのが専門家の概ねの診断だ。世界的な景気低迷が未だ進行形の上、国内企業に対する金融界の追加的な構造調整などが不安要因として残っており、春への道半ばで「花冷え」に見舞われている状態だ。

 金融界が19日に明らかにしたところによると、一時期急落を続けた為替相場が最近上昇に転じ、全般的に上昇安定局面に入ったのではないかという観測が出ている。3月初めに1ドル=1600ウォン近くまで急落していた対ドル相場は、急速に上昇し18日には1420ウォン台を記録した。最近のウォン上昇は、貿易収支黒字、短期急落の反動、株価急騰という要因が複合的に作用した結果と考えられる。

 株式市場のムードも良い。3月危機説のために今月初めには取引時間中に1000ラインまで落ち込んだ総合株価指数が、最近では1200近くまで戻している。専門家は、為替市場の安定や米国の経済指標の好転とニューヨーク市場の反騰、東欧のデフォルト(債務不履行)リスクの緩和を好材料に、株式市場が昨年11月から続く1000~1200圏を抜け出すものと期待する。トーラス証券のイ・ギョンス研究員は、「総合株価指数が120日の移動平均線を突破し、肯定的な流れが展開されている。この半年の国内外の金融危機局面を振り払い、新たな局面へと進むシグナルと解釈できる」と述べた。

 一方、外貨流動性について、金融監督院関係者は、銀行の短期外債借換率が現在90%を超えるなど、短期流動性には問題がないとし、4月からは銀行が本格的に長期外債発行に乗り出すとの見通しを示した。また、韓国銀行関係者によると、最近では韓国銀行が市中に供給したドルを一部回収するほど、外貨流動性状況は良くなっているという。貿易収支の黒字基調などの影響で、5月ごろには外貨流動性の改善を肌で感じられるようになるだろうと話している。

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