【ソウル15日聯合ニュース】フレキシブルディスプレーなどに応用できる導電性カーボンナノチューブ(CNT)を、炭素壁数を調整することで高効率で製造する技術を国内研究陣が開発した。
 韓国科学技術院(KAIST)新素材工学科のカン・サンウク、イ・ウォンジョン教授チームは15日、分子構造ナノ技術で窒素を添加した電気伝導率の高いカーボンナノチューブを炭素壁数の調節で迅速に合成する、新たな工程技術を開発したと明らかにした。研究結果は、ナノ技術分野の国際学術誌「ナノ・レターズ」電子版に13日付で掲載された。

 カーボンナノチューブは電気的、物理的性質に優れ、フレキシブル電子素子や2次電子電極などさざまなな未来技術への適用が期待される。ただ、実用化には、電気伝導率を高め物理的特性を決定づける直径と炭素壁の数を任意で調整できるようにする技術が必要だ。電気伝導率の向上にはホウ素や窒素などの不純物を添加するドーピング技術が必要となり、ナノチューブの直径と炭素壁数は合成に利用される金属触媒の大きさで調節される。

 研究陣は、高分子構造のナノパターン形成技術でカーボンナノチューブ成長に必要な金属触媒の大きさを均一に調節し、これを利用しナノチューブの直径と炭素壁数を任意で調節できるようにした。また、窒素不純物を添加し、電気伝導率を一般的なカーボンナノチューブの2倍以上、成長速度を5倍以上(1分当たり50マイクロメートルほど)に高めることに成功した。

 キム教授は、この研究を通じ、カーボンナノチューブをフレキシブル電子素子や2次電池電極、高機能複合材料などに適用し、実用化を早める契機を築いたことになると説明した。
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