事件について語る金元工作員=11日、釜山(聯合ニュース)
事件について語る金元工作員=11日、釜山(聯合ニュース)
【釜山11日聯合ニュース】1987年の大韓航空機爆破事件について、実行犯だった金賢姫(キム・ヒョンヒ)元北朝鮮工作員は11日、「事件は北朝鮮が起こしたテロで、わたしは偽者ではない。一部の遺族が疑惑を提起しているが、20年もたつ事件なのにいまだに何をやっているのか分からない」と述べた。金元工作員はこの日、釜山・海雲台の釜山展示コンベンションセンター(BEXCO)で、日本の拉致被害者、田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さんと長男の飯塚耕一郎さんとの面会を行った。その後の共同記者会見で、「事件の真相究明に向けた真実・和解のための過去史整理委員会の調査に応じる意向があるか」との質問にこのように答えた。

メディアのインタビューに対し盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権と国家情報院が金元工作員を放っておかなかったと主張したというのは事実かと問われると、「前政権でそうしたことはあったが、この場で具体的に話すのは…」と言葉を濁した後、現政権による調査の結果を待っていると答えた。

 田口さんについては、金元工作員が1987年1月から10月まで北朝鮮の招待所(外国人や工作員を収容する施設)で生活していた時に聞いたのは、「田口さんはどこかに連れて行かれたが、どこに行ったかは分からない」という話だと明らかにし、「死亡したのではなく、別の場所に行ったと思う」と述べた。1986年に結婚させられたという話も聞いたという。

 別の拉致被害者、横田めぐみさんに関しては、同僚だった金淑姫(キム・スクヒ)という工作員に日本語を教え、1987年に韓国人と結婚し娘を産んだと聞いたという。めぐみさんが死亡したとは信じられないとも主張した。

 金元工作員は拉致問題の解決策に関し、「日本政府が北朝鮮の自尊心をつぶさず心を動かせる方法を模索し続ければ、北朝鮮は死んだ人が生きていることもあるので奇跡が起こり得る」と話した。北朝鮮も米国のテロ支援国指定から解除されただけに、少なくとも家族が会えるようにすべきとの考えを示した。

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