北朝鮮は9日未明に朝鮮人民軍総参謀部報道官声明を通じ、韓米合同軍事演習「キーリゾルブ」と「フォールイーグル」の期間中(9~20日)、東海・黄海地区南北管理区域の安全を保障するため「より厳格な軍事的統制を実施することになる」と述べ、軍通信も遮断すると予告。その直後に陸路通行を遮断した。
物理的に軍通信ラインの遮断は、南北間出入者の通知と承認業務の中断を意味する。これに加え、南北往来ルートに対する厳格な軍事的統制は、「キーリゾルブ」期間中は韓国側人員の陸路通行を制限するという意味だと解釈されている。北朝鮮側が往来全面遮断と明言していないだけに余地はあるとの分析も出ているが、9日に開城工業団地の訪問と韓国への帰還がすべて断たれており、こうした措置が「キーリゾルブ」が終わる20日まで継続される可能性がないとはいえないだろう。そうなれば、現在北朝鮮にとどまる韓国人600人余りは20日まで北朝鮮に足止めされることになる。
政府は「抑留」などの表現を使用していないが、南北間の緊張が高潮するなか、北朝鮮に韓国人数百人の「居住移転の自由」が制限されている状況そのものが、大変深刻だということに異見はない。さらに、南北間に軍事的衝突が発生することがあれば、北朝鮮側が「戦時状況」を理由に彼らを抑留する可能性も排除できない。韓国民が「潜在的人質」になり得るということだ。
これについて政府は、国民の身辺安全が最優先課題だとの立場の下、北朝鮮に措置撤回を求める声明を発表した。続いて開城地域に置かれる韓国側機関・開城工業団地管理委員会を通じ、北朝鮮側に韓国人員の帰還を求めている。北朝鮮政府当局が韓国側の要求について検討を進めているかもしれず、国民の動揺を考慮しても、ひとまず静かに対応するとの基調だ。
ただ、北朝鮮が10日まで何の反応も示さない場合、政府は国民の安全がかかった問題だけに、より強力な対応案を講じるものと思われる。
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