【ソウル5日聯合ニュース】2月の鉱工業生産は前月比で増加勢を示すとの見通しが出された。政府の公式な景気見通しには楽観論が出てきており、その背景が注目される。
 企画財政部は5日に経済動向報告書(グリーンブック)を発表し、1月の鉱工業生産が前月比で小幅に増加したのに続き、2月もその傾向が続くとの見通しを示した。景気低迷が続いているものの昨年第4四半期に大幅な調整が行われ、2月には輸出で一部改善の兆しがあったと、背景を背景を説明した。ただ、世界景気低迷長期化の素地など下方リスクも共存しており、まだ綿密な点検が必要だと述べ、拡大解釈を警戒した。

 ことし1月の鉱工業生産は前月比で1.3%増えた。前月比が増加に転じたのは4か月ぶりだった。

 グリーンブックでは、ここ数か月間、肯定的なシグナルが観測されていない。尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)長官は4日の危機管理対策会議で「冬が来れば春が近いという点を心に刻むべき」と発言しており、同部が慎重に底打ち短期論を展開しようとしているのではの見方も出ている。一方で、景気があまりにも急激に下落したことで、心理安定の次元から肯定的な面を浮上させているとの分析も少なくない。

 輸出入については、3月も輸出の減少が避けられないが、輸入は減少勢が続き、小幅の貿易黒字になると見通した。2月の輸出は17.1%、輸入は30.4%それぞれ減少し、33億ドルの黒字を計上した。2月の経常収支は35~40億ドル水準の黒字と予想した。

 消費は速報指標や消費心理などを考慮すると、当面は不振が続くとしている。2月のクレジットカード国内承認額は4か月連続で1けた増にとどまり、デパートや大型スーパーの売上高は旧正月の影響で減少に転じた。なかでも大型スーパーは14.3%急減している。雇用不振で実質賃金は2四半期連続で落ち込み、不動産など資産価格も下落しており、消費不振改善を期待するのは難しいと分析した。設備投資も当面は減少傾向が続くと見通した。

 企画財政部は、現状としては実体・金融市場全般に対する綿密な点検が必要だと分析した。追加補正予算などを通じた内需景気補完、実効性ある構造調整、社会安全網の拡充など、政策対応努力も強化するとしている。

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