【ソウル31日聯合】為替ヘッジ用の通貨オプション商品「KIKO」に対し、裁判所が効力を一時停止する初の仮処分決定を下した。KIKO契約自体の効力に対する裁判所の初の判断となり、これまで多数の中小企業が裁判所の判決後に関連被害に対応する姿勢を示していたことから、大量訴訟など社会への波紋が予想される。
 ソウル中央地方裁判所は30日、株式会社モナミと株式会社DS LCDがSC第一銀行を相手取り提起したオプション契約効力停止仮処分申請について、「本案の判決を宣告するまで、モナミおよびDS LCDとSC第一銀行間のKIKO契約のうち解約意思を伝えた11月3日以降の効力を停止する」と決定した。

 裁判所は、契約時には各社と銀行がウォン・ドル相場が一定の範囲で安定的に変動することを前提したが、対ドル相場の急落でモナミなどが多額の取引損失を出し、残る期間にもこうした状況が予想されると指摘。これは契約時に予想できる水準を超えており、契約義務の強要は著しく信義則に反するとした。

 特に、契約の基礎となる客観的事情が契約後に大きく変更されたが、これを当事者らが予期できなかっただけでなく、当事者に責任のない事由で生じたもので、契約の拘束力を認めることが著しく信義則に反するならば将来の契約を解除できると説明した。

 続けて、KIKO契約でウォンの対ドル相場が急落すればモナミなどに無制限の損失が生じ、これは会社の取引目的や財務構造、営業状況、リスク管理能力などに照らし合わせてもふさわしくないと述べた。銀行は損失を制限できる他の取引条件を模索し、勧める義務があるが、これを履行せず適合性の原則に違反したと指摘した。

 KIKOは、為替が一定の範囲内で動く場合は市場価格より好条件で外貨を売ることができるが、指定の上限を超えてウォン安が進めば、契約金額の2~3倍を市場価格より悪いレートで売らねばならない。現在、KIKOに加入した中小企業100社余りが契約の不公正性を主張して訴訟を起こしている。

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