李大統領は、米国発金融危機に言及し「今回の状況を見ながら『時代の逆説』を思い浮かべた」と述べた。情報技術革命とグローバル化の急進展は驚くべき速度の変化を生み出しているが、それがもたらすリスクに関する情報は十分に提供されていないと指摘した。このリスクを事前に予測し対処するシステムもまだ不安定だとし、この現象を「制度の遅滞」と呼んだ。統制できない行為が急増し、それによる「意図しない邪悪な結果」が頻繁に現れているが、そうしたリスクに備え適切に規制することができる制度を、適期に構築できずにいると説明した。
李大統領はその上で、こうした不確実性が支配する時代にこそ「知識の共有」が重要な意味を持つと強調し、世界の知識人の歴史的責務もここにあると考えると述べた。制度の遅滞を解消する助けとなるよう、ともに知恵を絞るべきときだと強調した。また、フォーラム出席者に向け、「皆さんの知識と経験を最大限に発揮し、世界が直面している金融危機や気候変動などの各種難題を賢明に克服するため、大いに寄与することを願う」と重ねて呼びかけた。
このほか李大統領は、新政権が未来ビジョンとして掲げた「低炭素・グリーン成長」を紹介した。21世紀の世界は「炭素の時代」から「水素の時代」への転換を予告しているとし、気候変動やエネルギー問題など世界的問題を解決し持続可能な成長を実現するには、さまざまな分野の知識の統合が必要だと主張した。
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