会談する韓ロ首脳=29日、モスクワ(聯合)
会談する韓ロ首脳=29日、モスクワ(聯合)
【モスクワ29日聯合】李明博(イ・ミョンバク)大統領とメドベージェフ大統領による首脳会談は、両国関係を1段階格上げし、これを実践する実質的具体的措置に合意したという点で大きな意味を持つ。北朝鮮核問題の解決と朝鮮半島平和の定着において韓ロ首脳が互いに共感帯を確認し、相互協力の方針を固めたことも、大きな成果の1つと評価される。
 特に、短期マルチビザ協定、鉱物資源協定、ガス供給了解覚書などエネルギー・支援、科学技術、金融など、さまざまな分野で26種に上る協定を結んだことは、両国間の協力増進に向けた制度的基盤を今後にする契機になるものと期待される。また、李大統領の就任から7か月で米国、日本、中国に続き朝鮮半島周辺「4強外交」を完了させるとともに、メドベージェフ大統領との固い友情を誇示することで、両国間の一層緊密になった関係を象徴的に示したことも重要な成果といえる。

 両首脳は29日の会談後に長文の共同声明を発表し、両国関係を既存の「相互に信頼する包括的な同盟者関係」から「戦略的協力パートナー関係」にワンランク格上げすることで合意したと明らかにした。経済や文化などに焦点を当てた従来の関係が、今後は政治、軍事、外交・安保など敏感な分野まで、交流の幅と奥行きを拡大することになりそうだ。両国の関係格上げは、経済的な実利レベルを超え朝鮮半島周辺の全般的な情勢を念頭に置いた複合的で多面的な側面を考慮したものと伝えられる。今後の南北関係などにも少なからず影響を及ぼす見通しだ。実際に両首脳は、この日の会談で、新たな協議チャンネルとして両国外交当局間の第1次官級戦略対話を開催することで合意。米国、日本、中国に続き、外交・安保・国防分野に関しつっこんだ話し合いをする枠組みを設けた。

 北朝鮮核問題では、6カ国協議の枠内での話し合いと協力を強化し、6カ国共同声明の目標を平和的で外交的な方法で迅速に実現するため、建設的な努力を傾けることで合意した。原論的なレベルでの言及とみることもできるが、韓国側の立場としては、対北朝鮮問題で中国とともに強い影響力を持つロシアと緊密に協力することが、北朝鮮のいわゆる「通米対南」政策の牽制(けんせい)に大きな効果を発揮すると期待が持たれる。

 資源・エネルギーおよび科学技術分野で両国間の具体的協力案を策定したことも、今会談の重要な成果と評価できる。西カムチャツカ海上鉱区などロシア連邦内の海上鉱区開発事業に関する協力増進をはじめ、鉱物資源調査、合理的利用と開発分野でも協力を拡大していくことを決め、「資源外交」の模範解答を手にした。特に、ロシアから北朝鮮を経由し韓国に供給される天然ガスの配管建設事業に合意したが、今後、これが南北間でさまざまな経済協力のモメンタムとなるものと期待される。

 このほか、ナノ技術、情報化、原子力エネルギー、宇宙開発など先端技術分野や極地研究など、科学技術分野の協力強化と大規模プロジェクト推進にも原則的に合意した。朝鮮半島縦断鉄道とシベリア横断鉄道連結事業に関する共同補助でも意見を同じくした。

 人的・文化交流の拡大を決めたことも、両国間の大きく変化した位相を反映していると分析される。まず、韓ロビジネス対話を拡大し、両国の経済通商協力に中小企業が積極的に参入できるようにすることで合意。軍人事交流や軍事技術など国防分野の交流も発展を継続していくとし、多方面での両国関係の深化を予告した。

 このほか、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)など地域機構の枠内で協力を拡大し、国際テロや大量破壊兵器など汎世界的なイシューに対し共同対応することを決めたことは、国際社会における韓国外交の地平を広げたと評価される。

 青瓦台(大統領府)関係者は、両国が2010年に修好20年を迎えるに当たり、関係をアップグレードさせたという点で、今回の首脳会談は大きな意味を持つと語る。特に、両国経済・外交分野で、従来の宣言的な合意から実質的、具体的な方案を掲げたことは可視的な成果だと評価した。

Copyright 2008(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0