【ソウル29日聯合】MBCの情報番組「PD手帳」が放送した米国産牛肉の牛海綿状脳症(BSE)リスク関連内容について、検察はその大半が制作陣が取材した事実とは異なるものに歪曲(わいきょく)したか、意図的に編集したものと結論付けた。
 同番組の名誉棄損疑惑を捜査しているソウル中央地検特別捜査チームは29日、独自に再構成した番組取材原本のファイルを公開する形で中間捜査結果を発表するとともに、番組制作陣に解明を求める140ページの公開質疑書を送った。捜査チームは米メディアによる報道など関連記録を検討し、番組制作に参加した翻訳者や関連分野の専門家らに対し多角的に調査を行った結果、こうした結論に達したと説明した。検察の疑惑提起は同番組のほぼ全内容に関わるほど広範囲にわたっている。

 「PD手帳」は4月29日と5月13日に「米国産牛肉、果たして狂牛病(BSE)から安全なのか」と題した番組を放送。このなかで米動物愛護団体が撮影した「へたり牛」虐待映像が使用されている。これについて検察は、実際にはBSEと直接関係がないにもかかわらず、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)で死亡したとする米国人女性の葬儀のようすや同女性の母親とのインタビュー映像などとともに放送することで、視聴者に「へたり牛はBSEにかかっており、この肉を食べて女性が死亡した」と思わせるようにしたと指摘した。

 また、番組中に司会者がへたり牛を「さきほどのBSEにかかった牛」とコメントしたが、物議になった後に失言だったと釈明している。これについては「単なる司会者の失言ではなく意図的な発言だった可能性もある」とし、解明を求めた。

 死亡した米国人女性に関する内容についても、翻訳者から入手した同女性の母親へのインタビューには、女性の症状を詳しく説明するくだりがあったが、番組がvCJDとの関連性を強調するため意図的にこれを削除したと指摘した。この女性の死因について米メディアは「PD手帳」の報道とは異なり、vCJD以外にもクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、胃の切除による後遺症、腎臓障害、脳酸素不足などさまざまな可能性を提起していた。

 さらに、番組制作陣は女性の検査結果からCJDと診断された事実を知りながら、「vCJDと診断された」と字幕処理し、検査の結果に間違いはないとする主治医のインタビューを加え、事実を歪曲したと検察は主張している。

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