【ソウル29日聯合】李明博(イ・ミョンバク)大統領が、外交安保関連の最近の不手際に伴う関係者らへの問責の幅と時期について深刻に悩んでいるもようだ。2か月以上に及ぶ国政危機状況をもたらした米国産牛肉輸入問題と北朝鮮・金剛山での韓国人観光客射殺事件、米公共機関による独島帰属国名称の変更問題など新政権の外交力の限界を露呈する事件が相次ぎ持ち上がり、外交安保ラインの引責論が高まっている。特に民主党など野党だけでなく与党ハンナラ党内部でも「この際、外交安保ラインに大きくメスを入れなければならない」という声が出始めており、李大統領はさらに悩みを深めている。
 独島問題が深刻な方向に向かっていることから、李大統領も今回は受け流すことはできないとして問責カードに手をかけているといううわさだ。独島問題を疎かに扱った挙句、牛肉問題以上の逆風にさらされるかもしれないという懸念がある。既に李大統領は、米地名委員会が独島の帰属国の名称を「韓国」から「主権未指定地域」に変更したことに激怒すると同時に、徹底した経緯把握を指示し関係者への問責の可能性も示唆した。

 問題は問責の幅と時期だ。問責対象については、各種懸案が山積する状況で適当な後任者もいないうえ、外交安保ラインをやみくもに交代して外交に混乱をきたすことが懸念される。そうかといって適当に受け流そうにも興奮する世論が心配になるという困った状況に追い込まれている。

 青瓦台(大統領府)は、ひとまず経緯把握をした後で問題を検討するという方針を崩していない。経緯を把握した上で、関係者が職務を疎かにしたのかあるいは職務怠慢の水準がどの程度だったかを見極め、問責水準も決定できるという考えだ。しかし、政界では李泰植(イ・テシク)駐米大使をはじめ駐米韓国大使館への問責を既成事実化しており、今後の状況次第では外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官ら外交安保ライン全般の改編は避けられないという立場を示す可能性もある。青瓦台でも見解は分かれる。ある関係者が「独島のような敏感な問題への対処を誤ったことに対し責任を問わざるを得ない」と言えば、別の関係者は「いかなる事案が持ち上がろうと、トップをそっくり入れ替えれば別の問題が起きるだけに、外交安保ラインに手を入れる問題は慎重にアプローチすべき」と主張する。

 参謀らによると、現在地方で休暇を過ごす李大統領はこうした動向について報告を受け、悩み続けている。また、問責の幅には今後の世論の行方が相当な影響を及ぼすのではないかとの見通しも一部では示される。

 一方、問責時期については、来月5、6両日に予定された韓米首脳会談の準備と外交的慣例などを考慮した場合、それ以前に問責に踏み切るのは現実的に難しいのではないかという見方が大勢だ。首脳会談直前に主だった関係者を更迭すれば、米国に対する露骨な不満表示として映り韓米関係悪化の要因として働きかねたいという指摘がある。政府当局者も首脳会談後になるのではないかと話している。

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