【ソウル25日聯合】旧ソ連指導者スターリンが1950年の朝鮮戦争に米国を引き入れることを望み、戦争発生直後に招集された国連安全保障理事会に当時のソ連が欠席したのも、米国の参戦を誘導するための緻密(ちみつ)な計算だったことを示す文書が公開された。スターリンはまた、中国も参戦させることで米中が朝鮮半島に足止めされる状況を作るという戦略を立てていたことも分かった。1950年8月27日にスターリンが当時のチェコスロバキアのゴットワルト大統領に送った極秘電文から明らかになったもので、中央日報が25日に報じた。
 その年の7月初めに開かれた国連安保理で、旧ソ連軍が国連軍の派兵に拒否権を行使しなかったことに問題を提起したゴットワルト大統領に対し、スターリンは電文で「米国が安保理での多数決による決議を容易に得られるようにするため」と説明した。また、「これにより米国は韓国での軍事介入に巻き込まれることになり、軍事的威信と道徳的権威を喪失しつつある」と主張した。

 スターリンは特に、「米国が朝鮮戦争への介入を続け、中国もまた朝鮮半島に引き込まれればどのような結果が出るかを考えてみよう。欧州で社会主義を強化する時間ができ、国際勢力均衡の面でわれわれに利得をもたらすだろう」と強調した。

 スターリンの電文は、中国・北京大学歴史学部のキム・ドンギル教授が2005年にロシアの3大国立文書保管所の一つである国立社会政治史文書館(RGASPI)で入手した旧ソ連の資料に含まれていた。朝鮮戦争に関連し、スターリンが直接開戦前後の国際情勢と自身の戦争構想を具体的に言及した文書が公開されたのは今回が初めてとなる。特にこの文書には、スターリンが米国の介入を懸念し北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席の南侵計画に反対したとの通説を覆す内容が盛り込まれている。

 電文の末尾でスターリンは、撤収した国連安保理に旧ソ連が復帰しようとするのは米政府の好戦的政策を暴露し、米国が安保理を利用するのを防ぐのに効率的なためだと付け加えた。

 この電文を分析し「ゴットワルトに送ったスターリンの電文と韓国戦争の起源」と題した研究論文を書いたキム教授は、電文について「スターリンが戦争を承認することになった背景を含め朝鮮戦争の起源を新たな角度から説明している文書」だと話している。

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