【ソウル2日聯合】国内研究陣が遺伝子治療に使用可能な人造ウイルスを開発、遺伝子と薬物をがん細胞内部に伝達する実験に成功した。
 延世大学化学科の李明洙(イ・ミョンス)教授は2日、リボン型のタンパク質構造体とリボ核酸(RNA)の干渉を引き起こし遺伝子作動を制御するsiRNA(small interfeing RNA)と疎水性分子を結合させた人造ウイルスを開発したと明らかにした。またこの人造ウイルスをヒトのがん細胞に適用した結果、siRNAががん細胞に効率的に伝達されただけでなく、目標とした遺伝子の作動を制御する事実を確認した。

 自然状態のウイルスは感染した細胞に遺伝物質を伝達する非常に効率的な伝達体であることから、これまでにも遺伝疾患や遺伝的欠陥を持つ患者の治療にウイルスを利用研究が多く行われてきた。しかし、自然ウイルスは人体で免疫反応を起こしたりがんを誘発する致命的な短所がある。そのため、世界的に副作用のない人造ウイルスの開発に向けた研究が進められてきたが、人造ウイルスには治療効果において大変重要な要素となる、大きさと形の調整が困難という弱点があった。李教授チームは今回の研究で、この人造ウイルスの特定形態や大きさを維持する新技術を開発した。

 李教授は「この人造ウイルスは特定の細胞だけを攻撃する性質を持つだけでなく、遺伝子治療と薬物治療を同時に行うことができる」と説明する。現在は細胞水準の実験で遺伝子伝達能力と無毒性が確認された状態で、今後は動物実験などを通じ、遺伝子伝達とがん細胞への作用を確認する。

 この研究結果は化学分野で権威ある国際学術誌「アンゲバンテ・ケミ」最新号に掲載された。

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