【ソウル22日聯合】李明博(イ・ミョンバク)大統領は22日に発表した国民向け談話で、韓国経済が直面している差し迫った現実を強調しながら、現国会で韓米自由貿易協定(FTA)の批准同意案を通過させるべきだと訴えた。第3次オイルショックに近づきつつある原油価格高騰、世界経済のエンジンとなる米国の景気沈滞、悪化の一途をたどる内需不振、月平均20万人分にも満たない雇用創出力など、韓国経済をとりまく内外の悪材料を克服するには韓米FTAの発効が至急だとの認識だ。
 李大統領は談話文で、韓国は経済の7割以上を外国に依存し、通商貿易に頼る部分が大きいとした上で、韓米FTAは韓国経済の新たな活路となり、輸出と外国人投資が増え国民所得も拡大すると述べた。何よりも30万人以上の新規雇用が生じるだけに、このチャンスを逃してはならないと訴えている。

 また、韓米FTAの批准が遅れれば、FTAによる経済的期待利益も減少する。企画財政部の姜万洙(カン・マンス)長官は先ごろ、韓米FTAの発効が1年延期されれば15兆ウォン(約1兆4811億円)の損失が生じるとする大韓商工会議所の推定を明らかにした。FTA発効で予想されていた、関税撤廃による輸出価格競争力の向上、米国市場の先占効果、輸入関税撤廃による国民厚生改善などの経済利益を受けられなくなり、1日410億ウォンほどが失われるとの見方だ。加えて、国会批准が遅れれば政府に対する国民の信頼が低下し、韓国への外国人投資が減り韓米関係が悪化する可能性もある。

 さらに、韓米FTAが現国会で処理されずに第18代国会に持ち越されれば、政府の批准同意案提出から常任委員会での協議、公聴会、聴聞会などすべての手続きを再度行わねばならない。次期国会の構成を含めた政治的日程と米国側の状況まで考慮すると、批准が長期化する可能性もあり、場合によっては韓米FTA自体が白紙化されかねない。韓国の国会で先に批准同意案を通過させ、まだ韓米FTA履行法案を提出していない米政府・議会を圧迫するという戦略にも狂いが生じることになる。

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