【ソウル10日聯合】第18代国会議員総選挙の結果、与野党のベテラン議員の明暗が分かれることになった。
 地盤の蔚山を離れソウル・銅雀乙に選挙区を変え勝負に出たハンナラ党の鄭夢準(チョン・モンジュン)議員は、統合民主党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)元統一部長官との一騎打ちで勝利を収め、党内での立場固めに成功した。7月の党大会での党内選挙で党代表への挑戦も射程圏内にはいったほか、朴槿恵(パク・クネ)元代表と次期大統領候補の座をめぐる激しい競争を繰り広げる基盤もできたことになる。一方の鄭元長官は、昨年12月の大統領選での敗北に続き、総選挙でも落選したことで再起の致命傷となった。政治生命の危機となる恐れもあり、再起の時期をうかがいつつも、今後しばらくは試練の時を送るとの見方が強い。

 創造韓国党の文国現(ムン・グクヒョン)代表は、ソウル・恩平乙選挙区からの出馬を表明した当時、与党の実力者である李在五(イ・ジェオ)議員の牙城を切り崩せるのかと懐疑的な見方が多かった。しかし今回の総選挙では一躍主人公に躍り出た格好だ。今回の勝利で大統領選で汎与党勢力の候補一本化に失敗した責任への負担感もある程度はなくなり、政治勢力として弱体化していた創造韓国党の政策野党化にも踏み出したことになる。これに対し、与党最高の実力派の1人に数えられる李議員の落選は、与党全体に衝撃を与えている。李議員としても自身にとって最大の政治危機にぶつかったことになる。7月の党大会では最も有力な党代表候補だったこともあり、ハンナラ党の次期代表選びの先行きも不透明さを増している。落選により党代表選への挑戦も事実上なくなったとの観測も多い。与党内部の勢力バランスが崩れ、権力構造の変化も招きそうだ。

 ソウル・鍾路選挙区でハンナラ党の朴振(パク・チン)議員に挑戦状をたたきつけた統合民主党の孫鶴圭(ソン・ハクキュ)代表は、自身の落選だけでなく、党の100議席確保の目標にも失敗しており、昨年の汎与党勢力統合以降、最大の危機に直面している。総選挙敗北に対する責任論だけでなく、公認選びでの問題による後遺症も浮上すれば立場は弱まりそうだ。

 統合民主党の大物議員である金槿泰(キム・グンテ)議員は、ニューライト勢力の代表格であるハンナラ党の申志鎬(シン・ジホ)候補との「理念対決」に惜敗し、前進の開かれたウリ党で議長を務めた辛基南(シン・ギナム)議員、柳寅泰(ユ・インテ)議員も落選した。

 ハンナラ党では、公認選びで朴槿恵(パク・クネ)派議員らから集中的な非難を浴びた李方鎬(イ・バンホ)事務総長が民主労働党の姜基甲(カン・ギガプ)議員に敗れたことも衝撃的だった。ハンナラ党の候補のうち朴槿恵元代表が唯一応援していた姜昌熙(カン・チャンヒ)議員もやはり涙を飲む結果となった。

 昨年の大統領選に出馬しながら民主党の公認を受けられず、無所属で出馬した李仁済(イ・インジェ)議員は生還に成功した。また金大中(キム・デジュン)元大統領の側近で木浦から出馬した朴智元(パク・チウォン)元文化観光部長官も、無所属ながら当選に成功した。

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