【ソウル20日聯合】自然と建築の調和を強調した独特なデザインで世界から注目を集める日本の建築デザイナー、隈研吾氏が、「2008ソウル・リビングデザインフェア」に出席するため訪韓した。20日に会場のソウル・韓国総合展示場(COEX)で記者懇談会を開き、リビングデザインの世界的なトレンドや自身のデザイン哲学などを語った。
 「建築家が市場を設計するとして、市場の建物は作ることができても、市場の活気溢れる雰囲気まで盛り込むのは難しいことです。鉄筋やコンクリートで作ったかっちりした建物よりは、こうした雰囲気を生かすことが都市風景の中でより重要だというのがわたしの哲学です」――。普段は旅行などでインスピレーションを得ることが多いというが、韓国建築からも驚きや大きな影響を受けている。特に伝統建築に紙を用いる手法に大いに魅力を感じており、自分のプロジェクトにも活用していると紹介した。

 鉄筋で構造を作りそこに別の材料をかぶせる20世紀の建築については、率直でない方法だと表現している。外と中で同じ材料を使うことが望ましいと考えるためだ。冷暖房器具が必要のない土壁の家のような材料を使用するほうが、人間にとってはるかに有利で環境配慮の要因を持つとした。石や木など自然の素材を主に使う隈氏は、竹を使った独特なデザインも発表している。竹は自然素材には珍しく幾何学的な形態を帯びていながら非常に抽象的でもあるという二重のイメージを持つとし、かぐや姫の話に触れながら宇宙に通じているとの考えを示した。

 頭脳派の建築家という評価については、むしろ感性や感覚に従ったデザインをしていると答えた。幼いころ古い家で育ち、新しい家に住む友達を見るとあんな冷たい家では暮らせないだろうと感じたという。初期から感覚的な部分をより考慮し、そうした面が占める比重は時がたつにつれ増している。

 今回のデザインフェアは「今日の宮:Dream Palace」をテーマにしており、隈氏は英国の建築家ロン・アラッド氏とともに「皇后の部屋」というコンセプトでデザインを披露した。韓国の皇后が21世紀に生きていたらどのような部屋だろうかと考えた結果、一般人とは何かかけ離れた皇后のイメージをデザインに込めた。華やかに生きながらもどこか物悲しい、二面性を表現しようとした。

 デザインフェア全体についての感想としては、木の枝や葉など自然の素材を使った作業が多かった点が印象的だったと述べた。韓国の人たちは自然素材を実に積極的、感性的にうまく使っているようだと評した。

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