現在の崇礼門=(聯合)
現在の崇礼門=(聯合)
【ソウル10日聯合】国宝の崇礼門(南大門)が放火され焼失した事件で、ソウル・南大門警察署は10日、文化財庁と消防当局、ソウル・中区庁など関係機関の管理が普段から不十分だったため焼失を防げなかったとの捜査結果を発表した。
 それによると、文化財庁は文化財保護のボランティア活動である「1社1文化財保護」キャンペーンを推進していた昨年5月に、警備主体を代えれば業者の間で争いが生じる素地があったにもかかわらず、セキュリティ会社のKTテレコップの求めに応じ、キャンペーン対象ではなかった崇礼門を追加指定した。文化財庁は、中区庁とKTテレコップが崇礼門管理について契約する前に、中区庁をはじめとする関連地方自治体に対し「KTテレコップが5年間無料で文化財保護業者として活動するというので、崇礼門などに適用されるよう、検討後に回答してほしい」との公文を送っていた。警察は、公文は表面的には業務協議用だったが、実質的な内容は指示に近かったと判断し、これに関連し文化財庁職員の業務処理が不適切だったとして、該当機関に懲戒を通知した。また、同庁の別の職員について、消防防災庁など関係機関との非常連絡網の構築をはじめとする災害に備えた業務を疎かにし、火災時に崇礼門の天井を壊すかどうかを決めるまでに50分以上の時間を無駄にしたと指摘した。

 一方、広報効果と収益増大に役立つと見込み崇礼門の無人警備を買って出たKTテレコップが、中区庁職員らに時節の贈答品を送ったり食事などで接待していた事実は確認されたが、見返りや職務との関連性を認めることは難しく調査を終えたと、警察は説明している。

 消防当局の場合、火災鎮火の際にチェーンソーなどを使って天井を壊そうとしたが木材が太く水が染み込みすぎて失敗するなど、初動措置が十分ではなく、崇礼門の崩壊を防げなかったと判断された。年1回の消防点検・訓練は実施したものの形式的な訓練にとどまり、崇礼門の構造と特性を把握していなかったとの指摘だ。しかし、消防官の職務放棄があったとは認め難く刑事立件は見送られ、形式的な消防訓練や文化財鎮火のマニュアルまひ、熱感知火災カメラの不使用など勤務怠慢に対し是正措置と懲戒を求めることにした。

 中区庁の職員については、崇礼門の火災予防点検を毎月すべきだったにもかかわらず、2006年2月から火災発生まで点検を実施せず、火災発生後は国会に虚偽の公文書を提出したとして立件された。

 警察関係者は、「崇礼門火災の責任を特定の官庁や業者に問うことは難しいが、日ごろのたるんだ不十分な管理態度が、今回の事件を防げなかったことと相当に関連性がある」と述べ、公務員が使命感をもち文化財を管理することの重要性を指摘した。


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