ニューヨークフィル公演のようす=26日、ソウル(聯合)
ニューヨークフィル公演のようす=26日、ソウル(聯合)
【ワシントン26日聯合】ニューヨーク・フィルハーモニック・オーケストラによる歴史的な平壌公演が26日、盛況裏に終わった。北朝鮮の核開発計画の申告不履行で6カ国協議が行き詰まっているなか、停滞した米朝関係に新たな突破口が開かれるかが注目される。米政府は北朝鮮の6カ国協議合意履行を前提に掲げているものの、こうした文化交流を拡大する可能性を完全に否定していない。一方、北朝鮮も英国出身の歌手、エリック・クラプトンによる平壌コンサートの開催を進めている事実がわかっており、北朝鮮と欧米が「音楽外交」を通じ、関係改善の転機を作るのではとの見方も出ている。
 英ロンドンに駐在する北朝鮮大使館は同日、聯合ニュースの電話取材に対し、来年初めをめどにエリック・クラプトンの平壌公演を進めていると明らかにした。9月に予定されている北朝鮮国立交響楽団の英国公演に対する返礼という形での開催だが、エリック・クラプトンが一般のミュージシャンという点が、クラシック楽団のニューヨークフィルによる公演をはるかに凌ぐ衝撃を与えている。

 北朝鮮がこのように積極的に音楽交流に乗り出しているのは、北朝鮮が変化しつつあることを国際社会に誇示するためと分析される。変化はニューヨークフィル公演にも表れており、北朝鮮は公演に合わせ、平壌市内の反米広告物を大挙撤去したとされる。また、公演での米国の国歌演奏を許可し、会場となった東平壌大劇場前に米国旗の星条旗も掲げたほか、公演のようすを北朝鮮メディアを通じ生放送した。

 一方、米国もこうした北朝鮮との文化交流を拡大していく可能性を否定していない。ホワイトハウスは26日、ニューヨークフィル公演に対し「公演は公演というだけ」と政治的な意味を持たせなかったものの、こうした文化交流を今後も実施する可能性はあると述べた。ブッシュ大統領は、昨年10月に国務省が発表した人身売買報告書を土台に、北朝鮮への制裁を強化するとしながらも、米朝関係改善に向けた教育・文化交流プログラムに対しては、例外的に予算を支援することを決めている。

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