韓米同盟が崩壊した場合、朝鮮半島に第2の冷戦時代が到来するとの主張が出されている。米国アジア研究機関(NBR)が、最近まとめた「韓米同盟のない世界」をテーマにした政策報告書で、韓米同盟の瓦解という仮想現実を政治・軍事・経済の側面から立体的に分析した。
 このうち最も目を引くのは、韓米同盟が解除された後の韓国と周辺大国との関係についての分析だ。報告書は、現在の韓米同盟が過去のような主導的役割を遂行できずに漂流していると指摘し、在韓米軍が完全に撤収すれば、韓国は自衛力を強化するため核保有を進めるとの見通しを示している。こうした場合、日本は中国・北朝鮮などの核保有国だけでなく、韓国の核保有の可能性にまで直面することになり、核兵器開発を強行するというのが専門家らの診断だ。

 報告書はまた、北東アジア地域での米国の影響力低下を望む中国は、韓国を自国の影響下に置こうとするが、両国関係が同盟に転換されるかについては懐疑的だとし、中国は自国が望む方式で朝鮮半島を統一させるために北朝鮮を利用すると分析している。このほか、韓米同盟が瓦解すれば、北朝鮮はさらに大胆な挑発に出るとみられ、こうした北朝鮮の意図と目標は韓国に甚大な影響を及ぼすとの見方を示している。

 報告書はさらに、万一、次期政権が韓米同盟の重要性をしっかりと認識せず、北朝鮮が朝鮮半島の不安定を助長する状況で、中国が北朝鮮への抱擁政策まで放棄するならば、今後朝鮮半島には第2の冷戦期が訪れることもありうるとし、韓米同盟の重要性を改めて強調した。

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