国民の67%が、引退後は農村に住みたいと考えていることが分かった。農村振興庁農村資源開発研究所が12日、先ごろ全国7つの特別・広域市と全国9つの農村郡地域に居住する35歳以上の男女1005人を対象に行った、老後の生活に対する認識水準調査の結果を明らかにした。
 それによると、回答者の66.9%が引退後に農村に居住する意志があると答えており、「普通」は18%、「居住の意志はない」は15%にとどまった。農村振興庁は2004年に1922人の都市部住民を対象に農村移住意志に関する調査を行っているが、このときは58.2%が農村移住の意志があると答えており、これを上回る結果となった。

 引退後に農村に居住することで個人的に得られる価値について5点満点評価で尋ねたところ、「自然との共存で健康になれる」が4.1点で最も高く、「心にゆとりができる」が4.0点、「環境汚染から逃れられる」「食品を安心して食べることができる」「簡単な仕事をすることで体が健康になる」が3.9点などとなった。農村での暮らしに肉体的・精神的な健康を期待していることが分かる。このほかにも「余裕のある時間が過ごせる」「人生を美しく締めくくれる」「財産の急激な損失のリスクが少ない」「引退後のむなしさを軽減できる」なども農村暮らしの長所に挙げられた。

 反対に、農村での暮らしの問題点としては、安定した職の不足(4.02点)、帰農支援政策の不足(3.96点)、農村高齢者福祉施設や政策の不足(3.95点)などが指摘された。既存住民に溶け込めない、帰農に対する既存住民の態度が否定的、なども負担要因に挙がった。

 農村振興庁は、老後に田園生活をという国民の望みは日を追うごとに高まっているが、こうした欲求が実際に農村移住につながるには、地方自治体が地域生活の便宜と長所を積極的に広め、移住可能者に合致した情報を提供し続ける必要があると指摘する。農村資源開発研究所によると、都市部、農村部の住民ともに引退後に農村で暮らしたいという回答率はほとんど変わらず、男女格差もほとんどなかったという。結果的に、農村人口誘致はまず農村地域の福祉水準向上が優先課題だと強調した。

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