宣誓する陪審員候補ら=12日、大邱(聯合)
宣誓する陪審員候補ら=12日、大邱(聯合)
職業裁判官ではない一般の国民が直接裁判に参加する「国民参与裁判」(陪審員制)が国内で初めて大邱地裁で12日に開かれた。
 裁判は陪審員を選定する手続きに次いで陪審員が直接裁判に参加する公判、被告に対する有無罪や量刑について陪審員の意見を集める評議、評議の結果を基に裁判長が判決を下す宣告などの順で進められた。

 午前10時からは陪審員を選ぶ手続きが始まった。この手続きのために大邱地裁は先月、管轄区域の大邱市中区をはじめ9つの市・郡・区に居住する満20歳以上の市民のうち無作為に選ばれた陪審員候補者230人に通知書を送っている。230人は大邱地裁が昨年末に裁判所行政処から提供された陪審員候補予定者名簿に登録されている7473人の中から電算プログラムにより選ばれた。しかし、同日裁判所に出席した陪審員候補者は43人で候補者全体の2割にも満たなかった。残りの候補者が個人的事情を理由に免除申請を行ったためだ。

 出席した陪審員候補者に対しては被告と個人的に関わりがあるかどうかなど集中的な質問が行われた後、最終的に正陪審員9人と予備陪審員3人の12人が選ばれた。

 続いて午後2時から裁判が開かれ陪審員団は陪審員宣誓の後、直ちに証拠調査に着手した。弁護人と検察側が準備した資料と双方の激しい攻防を見守りながら、判事を通じて被告や証人に鋭い質問をする場面も見られた。

 被告は昨年12月26日、交通事故の和解金に必要な資金を目当てに、大邱市南区の女性宅に部屋を見に来たふりをして押し入り金品を強奪した。抵抗する女性を暴行し、被害者が出血したため病院まで連れて行ったが、これを不審に思った近くの住人が通報し事件が発覚した。

 検察の論告と弁護人の弁論の後、陪審員団が被告の有・無罪を決める評議が行われた。評議の際、陪審員12人のうち予備陪審員3人は除外されるが、評議の直前までは陪審員に対しても正陪審員なのか予備陪審員なのかは明かされない。

 大邱地裁は陪審員団による評議の結果を基に同日午後遅くに被告に対する判決を宣告するが、評議の結果や量刑に対する陪審員団の意見は判決に拘束力を持つものではなく、勧告的効力にとどまる。

Copyright 2008(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0