崩壊した崇礼門=11日、ソウル(聯合)
崩壊した崇礼門=11日、ソウル(聯合)
旧正月連休最終日となる10日夜、国宝第1号に指定されている崇礼門(南大門)が、放火によるものとみられる火災で全焼・崩壊した。消防当局は5時間以上にわたる消火作業にもかかわらず崩壊を防ぐことができず、また放火の容疑者に対する警察の捜査も難航している。
 ソウル市中区南大門路4街に位置する崇礼門から火災が発生したのは10日午後8時50分ごろ。火災現場を目撃したタクシー運転手は、「近所で客を待っていたところ、50代とみられる男がショッピングバッグを手に横の階段から崇礼門に上っていった。真っ赤な炎が広がったため通報した」と話した。

 消防当局は通報を受け、ポンプ車やはしご車など消防車32台と消防隊員128人を現場に向かわせ消火作業に着手した。楼閣2階の屋根から発生した火により木材が焼け、周辺が白い煙ですっかり覆われたが、消防隊員らは「国宝第1号」という文化財の棄損を懸念し、他のビルのように積極的な消火作業を行えなかった。

 崇礼門の崩壊は、名実ともに韓国を代表する文化財である「国宝第1号」を失ったという点で、財産被害額だけでは計れない有形・無形の膨大な被害を残した。

 延べ面積177平方メートル・2階建て建築物の崇礼門は、都の城門として1398年に建てられた後、壬辰倭乱(文禄の役)や丙子胡乱など数回の戦乱にもかかわらず600年以上にわたり威厳を誇ってきた。都城8門のうち最も重要な正門で、ソウルに残っている最古の木造建築という点でも価値が高い。

 また、「崇礼門」と欠かれた看板も消火作業により角が一部棄損したものと伝えられた。この看板は冠岳山の火気を抑えるために譲寧大君が書いたと伝えられており、世宗の三男で朝鮮の名筆だった安平大君の作品との説もある。


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