国際通貨基金(IMF)の韓国事務所長は29日、通貨危機以降、韓国ではいまだ投資が回復せずにいると指摘し、韓国経済がより早く成長するためには、より多くの構造的改革が必要との認識を示した。通貨危機10周年を機にソウル市内で開かれた韓国開発研究院(KDI)主催のセミナーに出席して述べたもので、韓国の潜在成長率は現在の4~5%水準から、2~3%水準まで落ち込むとの見通しを示すとともに、これを解決する努力が必要だと述べた。
 また、韓国は当時高い成長率を謳歌(おうか)しており、構造的問題点を多く偽装していたと振り返り、特に金融システムを産業政策の手段として使っていたことなど、政策の歪曲(わいきょく)があり、企業の収益性急落や過剰投資などの問題もあったと指摘した。その上で、通貨危機によりこうした構造的や弱さを悟ることができたとし、改革の苦しい過程もあったが、過去10年間に韓国はアジアで最も早い回復速度を見せ、いまでは外的な衝撃に対する柔軟性も確保したと評価した。

 ただ、通貨危機以後も韓国では投資が依然回復していないのは事実だと述べ、投資が進むためには韓国市場が魅力的に感じられるよう規制改革を進めるべきだと促した。また中小企業も持続的に改革すべき対象であり、労働市場の二極化問題なども解決すべきと強調した。


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