今年は過去最大の300億ドルに達することが見込まれる対日貿易赤字の要因として、原材料の輸入拡大と価格上昇が指摘されている。
 韓国産業研究院(KIET)が1日に発表した報告書によると、対日貿易赤字は以前とは異なり、輸出主力製品の対日競争力の低下よりは、輸出用原材料の輸入拡大が大きく作用している。またウォン高円安にともなう価格競争力の低下、生産設備の海外移転なども作用していると診断された。

 1月から9月までの対日輸出は190億600万ドルで、前年同期比3.2%減少したのに対し、対日輸入は6.1%増の409億6700万ドルで、貿易赤字は219億6100万ドルに達している。こうした現象についてKIETは、韓国の高い対日輸入依存度により、景気が拡大して設備投資が活発化したり輸出が急増すると、日本からの部材や資本財輸入が大きく増えることが重要な原因のひとつとしている。

 KIETはまた、2002年以降の対日赤字は、主に機械類、化学、鉄鋼などで発生しており、1993~1995年、1998~2000年、2001~2004年の韓国の輸出と対日赤字規模は類似した方向に展開されてきたと分析している。ただ、最近になり設備投資が鈍化したことで、従来の要因よりは原材料価格の上昇と輸入拡大、ウォン高が新たな赤字要因に浮上している。

 昨年の場合、赤字が最も拡大した品目は鉄鋼・金属製品で、赤字規模は前年比で21億ドル増えた。エチレンやトルエンなど一部素材類の輸入も大きく増えた。これについてKIETは、素材類の輸入急増は自動車など韓国の輸出好調による需要増加が主要因だが、昨年下半期以降の鉄鋼材と非鉄金属の輸入単価上昇も影響を与えていると分析した。また、円安の影響で日本製品の輸入価格が下落し、乗用車や照明器具、ゴルフクラブなどの消費財輸入が急速に増えていることも要因のひとつとなっている。一方、輸出の減少については、対日輸出額2位の石油製品が9月までで前年同期比25.9%減、3位の液晶パネルが43.4%減となった点を指摘した。

 KIETは、根本的な改善のためには日本市場に対する進出努力を強化し、新たな対日輸出有望品目を発掘すべきだとしている。あわせて日本に大きく遅れを取っている部材産業の競争力強化を進め、日本市場開拓に向けた専門家と人材の拡充も必要だとの見方を示している。


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