12日、全員が出席した記者会見のようす=(聯合)
12日、全員が出席した記者会見のようす=(聯合)
アフガニスタンでの拉致事件が、先月31日に人質21人が全員解放され終結を迎えてから1か月が過ぎた。拉致被害者らは次第に健康を取り戻し社会復帰の準備を進めているが、未だ後遺症に苦しむ被害者もいるようだ。
 21人は12日に病院を退院してから江原道の療養所で安静を取っており、19日に帰宅して家族とともに秋夕(旧盆)連休を過ごした。社会復帰を前に、27日には病院で最終的な健康診断を受けている。病院側が28日に明らかにしたところによると、健康状態はおおむね良好で、一部被害者の特殊なケースを除き、外傷や消化障害、皮膚疾患などは1か月の治療で完治したという。

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 拉致被害者らは、回復に長期を要する精神的ダメージからも比較的早く立ち直っている。非難世論を理由に禁じられていたインターネットの利用も再開するなど、社会復帰の準備を急いでいる。先月13日にほかの被害者より先に解放されたキム・ギョンジャさん、キム・ジナさんのほか、イ・ジョンランさんら回復の早い被害者は、来月初めから職場や学校に復帰する予定だ。

 しかし、一部の女性は依然として悪夢のような40日間の記憶が頭から離れず、後遺症に悩まされている。退院時の記者会見でめまいを訴えるなど、弱々しい姿を見せていたイ・ソンウンさんは、拉致当時のストレスや体質などから肺疾患をわずらっていると伝えられた。18日に療養所から病院に緊急移送され、再び治療を受けているという。22歳と最年少のイ・ヨンギョンさんも、深刻な食欲不振やうつ病の進行などがみられ、今学期は大学を休学する予定だ。

 一方、殺害されたシム・ソンミンさんの家族は衝撃と悲しみからなかなか立ち直れずにいる。ソンミンさんの父親、シム・ジンピョさんは28日、聯合ニュースの電話取材に対し、「時間が経っても次第に悲しみが募り、心の痛みがまったく静まらない」と打ち明けた。母親は健康状態が悪化し、今は静かに療養しているという。同じく殺害されたペ・ヒョンギュ牧師の葬儀に参席した後、ソンミンさんが書いた遺書を受け取ったがまだ開けないでいると話し、「遺書まで書いてアフガニスタンに赴いたことを考えると心が張り裂ける思いで、教会に対する憤りが次第に大きくなっている」と語気を強めた。法的に旅行を制限している危険地域に、宣教活動という名目で信者を派遣する教会の行為を許すことはできないとし、現在進めている法的な検討が終了次第、セムムル教会を相手取り法的対応を取ると話している。

 セムムル教会は人質解放後、沈黙を守っている。教会は拉致被害者らの入院治療費や航空費を負担しており、今後の通院治療費用も支払う考えだ。海外での宣教活動を再開するかどうかに対しては、宗教界の決定を受け入れると話している。


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