アフガニスタン韓国人拉致事件は、武装勢力タリバンが最終通告した交渉期限の27日正午(韓国時間午後4時30分)を過ぎ、分水嶺を迎えている。28日には盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の特使としてカブール入りした青瓦台(大統領府)の白鍾天(ペク・ジョンチョン)統一外交安保政策室長が、アフガンのカルザイ大統領を表敬訪問する見込みで、交渉の大きな転換点となるかが注目される。
 青瓦台は現地とのホットラインを構築し、アフガンの動向を鋭意注視している。青瓦台関係者は27日、聯合ニュースの電話取材に対し、「現在のところ現地の状況に変動があるという情報はない。拉致団体も特使が到着したことを知っているだけに、活動に注目しているのではないか」と話し、交渉期限が延長されたのも、そうした雰囲気を反映したものとの考えを示した。

 人質が監禁されているガズニ州の州知事は27日、ドイツのDPA通信に対し、タリバン側はまだアフガン政府に会う準備が出来ておらず、交渉期限は無期限延長されたと明らかにした。アフガン政府交渉団の1人が、現時点では連絡を取り合っただけで実際の交渉は行われていないと伝えたほか、ガズニ州カラバグ地区の行政責任者も、タリバンは別グループに分かれているうえ意見の違いも大きいため、27日の時点ではまだ交渉は実現していないと説明している。

 タリバンは今夜にも再開される見込みのアフガン政府との対面交渉で、正式な要求事項を提示してくるものと思われる。これまでタリバン内部では、収監されているタリバン兵と人質の交換、女性人質の解放、身代金の要求など、さまざまな見解が交錯し、アフガン政府との全体交渉が難航している。タリバン側とは1日電話連絡がつかなかったと伝えられているが、内部で穏健、強硬で意見が分かれ、その調整に当たっていたもようだ。

 一方、アフガン高官らは今後の交渉の動きに楽観視する見方を示している。ガズニ州の警察署長は、「われわれは望んでいる肯定的な結果が出るものと楽観する」と話しているほか、ガズニ州知事の報道官も、27日の解放は無理との見方を示しながらも、良い結果が出るものと願っていると話している。

 こうしたなか、人質はタリバンから食事の提供を受け、比較的良好な健康状態にあると伝えられた。ガズニ州警察署長は、タリバンが交渉仲裁者を通じ「拉致された韓国人には水と食糧を提供しており、人質の健康状態は良好だ」と状況を伝えてきたと明らかにした。しかし、ガズニ州管轄のタリバンメンバーと名乗る人物は、この日米CBSとのインタビューで、女性の人質の健康には問題がないが、男性1人の状態が悪化したため治療を受け、医療訓練を受けた人質が付き添っていると伝えている。また共同通信は、女性の人質の一部がタリバン武装兵のいない現地住民の民家に移されたと報じており、人質の監視は一部緩和されたもようだ。


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