アフガニスタンでイスラム武装勢力のタリバンに韓国人が人質にとられてから10日になるが、29日からタリバンとアフガニスタン政府、韓国政府の3者接触による人質解放交渉が本格化する見通しだ。アフガニスタン政府交渉団とタリバンの交渉は続いているが、タリバンの最大の要求事項であるタリバン兵釈放をめぐる溝は埋まっていない。
 韓国政府が大統領特使としてアフガニスタンに派遣した白鍾天(ペク・ジョンチョン)統一外交安保室長は、28日にアフガニスタン政府高官らと相次ぎ接触し、人質解放問題について突っ込んだ協議を行った。また、早ければ29日にもアフガニスタンのカルザイ大統領と会うとみられている。青瓦台の千晧宣(チョン・ホソン)報道官も「カルザイ大統領とは一両日中に会うことを期待する」と述べている。青瓦台関係者は、「(白特使が)各分野の高官と先に会ったことは、韓国としてもカルザイ大統領との協議に先立ち状況を韓国なりにまとめるのに必要で、これはアフガニスタン側も同様だ」と述べた。

 白特使はカルザイ大統領に対し、タリバンの要求とされるタリバン収監者の釈放と金銭的な保障についてアフガニスタン政府が柔軟に対処することを要請するようだ。あわせて、事態解決に向けた協力が両国関係の強化の足がかりになることを強調しながら、人質22人の命を最優先とする韓国政府の立場を説明すると予想される。タリバンは白特使とカルザイ大統領が会った後でアフガニスタン政府と接触し、収監者の釈放など具体的な要求事項を提示する本格交渉に乗り出すものと観測される。白特使が29日にカルザイ大統領に会う場合、解放交渉の重大な転機になることも期待される。

 タリバン報道官を名乗る人物は前日、聯合ニュースのインタビューに対し「韓国大統領の特使がアフガニスタンに来たことを知っている。問題解決を期待しており、特使派遣に満足している」と述べ、白特使とアフガニスタン政府の協議結果に期待感を示した。一方、パキスタンの通信社アフガン・イスラミック・プレス(AIP)の電話取材に対しては、韓国人の人質解放交渉が重大局面にさしかかっているとし、交渉結果が導き出されることを期待すると述べた。人質の状態については、少なくとも10人の具合が悪く、治療を受けていると説明した。

 韓国人の人質に届ける医薬品と生活必需品は、ガズニ州カラバグ地区に到着し、アフガニスタン政府を通じ渡されたようだ。

 一方、外交通商部の宋旻淳(ソン・ミンスン)長官が28日に米国務省のライス長官と電話で協議するなど、韓米間で高官級協議チャンネルが稼動した。事態の早期解決に向けた協力策を集中的に協議している。


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