板門店韓国側区域の「平和の家」で24日から開催されている第6回南北将官級軍事会談は26日に最終会議を行ったが、これといった合意を導くことはできず、次期会談日程も決定できないまま終結した。

 韓国と北朝鮮は同日午前10時から全体会議を開始したが、北朝鮮側が黄海海上北方限界線(NLL)再設定の主張を曲げず、会談開始から2時間も経たずに終結会議に入り、会談を終了した。

 国防部の文聖黙(ムン・ソンムク)北朝鮮政策チーム長は会談終了後、「北朝鮮が主張したNLL問題と共同漁労水域に対する双方の見解の違いが大きすぎた」と述べている。北朝鮮側はこれら問題に対し韓国側が姿勢を変えなければ協議はできないと強く主張したため、話し合いが困難な状況になったと説明した。

 北朝鮮は今回の会談で、NLL再設定を協議の前提条件としていた。共同漁労問題についても、韓国側がNLLを基準に南北が同一面積の水域で試験的に設定・運営し、黄海上の平和定着に応じて拡大実現していく案を示したのに対し、北朝鮮側はNLLより南に設定することを主張し、事実上のNLLの無力化を試みた。北朝鮮は、1999年と2002年に南北衝突が発生したNLL南側の海上を共同漁労水域にしようと主張したが、韓国側は白リョン島と長山半島一帯を提案している。

 また、韓国側は鉄道・道路の軍事的保障問題と漢江河口の骨材採取、臨津江水害防止事業の軍事的保障問題の迅速な妥決を強調したが、北朝鮮側はこれについても、NLL問題と共同漁労水域設定問題を優先的に協議すべきだとの主張を固持した。

 北朝鮮の金英徹(キム・ヨンチョル)首席代表は終決会議で、NLLがこれまで順守してきた基本軍事境界線だというのは詭弁(きべん)であり、NLLは冷戦時代に米国が設定したものだと主張している。6カ国協議を通じて得た結論は、これ以上会談を行う必要はないということだと述べ強硬姿勢を示すとともに、「韓国側は会談の準備ができていない。言うなれば相手にならないと判断した」と、会談決裂の責任を韓国側に投げた。

 これに対し韓国側首席代表の鄭承兆(チョ・スンジョ)政策企画官は、NLL再設定の主張を韓国側は受け入れられないと北朝鮮側も明白に認識しながら強要を続けていると指摘し、「会談はだれのせいで進展しないのか、よく考える必要がある」と反発している。

 また鄭政策企画官は、今回の会談で合意に至らなかったのは大変残念なことだと述べ、次回は実質的な進展を実現しようと呼びかけるとともに、会談後も相手を刺激する行為を慎み、数度の接触を経て結んだ信頼と相互尊重の精神を守っていくことを期待すると述べた。しかし北朝鮮側は「これ以上の会談は必要ない」としている上、次期会談の日程も設定できなかったことから、南北軍事会談は当面膠着(こうちゃく)状態が続く見込みだ。

Copyright 2007(C)YONHAPNEWS. All rights reserved.

Copyright 2006(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0