ロンドンを訪問している北朝鮮の韓成烈(ハン・ソンニョル)軍縮平和研究所代理所長は4日、「米国の対北朝鮮政策は遅れてはいるが変化する方向で進んでおり幸いに思う」との見解を示した。ロンドン駐在の特派員らと会った席で述べたもの。
 国連駐在北朝鮮代表部の次席大使を務め米国通として知られる韓代理所長は、次期6カ国協議と6カ国協議合意の履行についても前向きにコメントし、「何もないよりは遅れても変化している方がましだ」と論評した。しかし、単純にマカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)に凍結されていた資金が解除されただけで、米国の北朝鮮に対する経済制裁はまだ完全に解決できていないと指摘した。6カ国協議での合意を履行するためには、経済制裁の解決やテロ支援国リストからの解除、米国の義務事項の履行などが必要だと強調した。米朝関係正常化の見通しについては「米国側にかかわっている」とし、米国が本当に核問題の解決に向けた目的と意志があるかどうかを見抜く必要があると述べた。

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 これに先立ち韓代理所長は、英国在住の北朝鮮専門家やメディア関係者、外交官ら200人余りが参加した王立国際問題研究所での講演会で、「朝鮮半島の統一と現在の南北関係」「朝鮮半島の安保:核問題と6カ国協議」をテーマに講演し非公開で出席者の質問に答えた。

 韓代理所長は講演で、北朝鮮が金融制裁の解除を重要視しているのは、米国が北朝鮮に対する敵対政策を捨てる姿勢なのかどうかを判断できる基準であるためと説明した。金融制裁の解除は凍結資金の送金という技術的な問題だけでなく、6カ国協議と南北共同声明の履行と直接に関係している政治的な性格を持っていると指摘した。

 また、6カ国協議の成功可否は米朝関係に大きくかかわっているとし、一方的な制裁や集団的な圧力は問題解決に役立たず、かえって対話と交渉のプロセスを妨害し緊張を深めると主張した。

 東アジアの安保は、冷戦時代の関係がまだ残っているため複雑で難しいとの見方を示した。この地域での対立を解決するためには、▼朝鮮半島の分断を終息させ▼米国が軍事ヘゲモニー戦略を平和戦略に変え▼北朝鮮と日米の敵対的な関係を改善し▼休戦協定を平和条約に代替する必要がある――と提案した。

 韓代理所長はまた、核問題は米政府の北朝鮮に対する敵対政策に原因があると非難し、在韓米軍の撤退、米国と北朝鮮間の不信緩和措置がなければ非核化は実現されないと主張した。

 英国シンクタンクからの招きを受け2日に英国に到着した韓所長は、3日にケンブリッジ大学の東アジア研究所の学者らと会い、4日に王立国際問題研究所で講演を終えた後、5日に平壌へ出発する。韓所長が欧州を訪問したのは今回が初めて。


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