金正日総書記(左)と姜錫柱外務第1次官=(聯合)
金正日総書記(左)と姜錫柱外務第1次官=(聯合)
北朝鮮の姜錫柱(カン・ソクチュ)外務第1次官が、白南淳(ペク・ナムスン)外相の死去により空席となっている外相昇進することが内定していたが、これを辞退していたことが分かった。複数の対北朝鮮消息筋が10日に明らかにした。
 北朝鮮は姜第1次官を外相に昇進させ、金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官を第1次官に、李容浩(リ・ヨンホ)前英国大使を金外務次官の後任となる対米関係担当外務次官に任命する人事案を策定し、最高人民会議11期第5回会議で外相任命を発表する計画だったとされる。しかし、姜第1次官が白外相の死亡を前後し眼科疾患と関節炎などで国内外で通院するようになり活動に困難を生じるなどの健康上の問題が浮上したため、人事が先送りとなっていた。結局外相には朴義春(パク・ウィチュン)前ロシア大使を任命、そのほかの人事は白紙化された。

 これに関連し、ある消息筋は、姜第1次官は健康上の理由としているが、外相となれば各種公務に出ることで金正日(キム・ジョンイル)総書記との距離が生じることを懸念し、外相昇進を避けたものと説明している。

 金総書記は外交懸案のなかでも対米外交に大きな関心を持ち、1990年代から急浮上している核問題と対米交渉に関する相談は姜第1次官とだけ行い、直接の指示を下している。外相の役割は形だけのものにすぎない。姜第1次官は、今後も対米外交がさらに本格化するものと予想される状況で自身が外相となれば、金総書記が金桂寛外務次官を通じ対米外交を指揮する可能性を懸念したものと思われる。公式の序列よりも側近を通じ関連業務の報告を受け指示するという金総書記特有の「側近政治」スタイルや、外交に対する絶大な関心から判断して、側近序列から外れることはできないというわけだ。

 金桂寛外務次官は1月のベルリン米朝会合をはじめ、米朝2国間会談や6カ国協議を通じ、バンコ・デルタ・アジア(BDA)の北朝鮮資金凍結解除を導出するなど北朝鮮の要求を貫徹したことで、金総書記から格別の新任を得たとされる。金総書記は最近、金外務次官の能力と功労を高く評価し、自身の側近たちが居住する平壌・大同江地域に引っ越すよう配慮している。

 この地域には30前後の住居があり、朝鮮人民軍総参謀部の金明国(キム・ミョングク)作戦局長、李明秀(リ・ミョンス)大将、人民武力部の朴在慶(パク・ジェギョン)対外事業担当副部長、玄哲海(ヒョン・チョルヘ)総政治局行政局副局長ら軍部内最側近のほか、朝鮮労働党の呉克烈(オ・グクリョル)作戦部長、姜第1次官らが居住している。金外務次官はここに住まいを移すことで、姜第1次官と同等の金総書記側近序列に加わったことになる。


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